フランスでは朝は半そでだと寒すぎるが、昼からは半そででも汗ばむ
季節に入ってしばらく経つ。午後の陽射しは強烈だ。サングラスを
持ってでなかったわたしはあんまりまぶしいので額のところに手を
かざして歩いていた。そこへ ちょうどごみ収集車が通りがかった。
フランスのごみ収集車は立派である。一車線一杯幅をとるくらい
大きくて、こぎれいだ。
その日のごみ収集のお仕事は庭の木の枝や落ち葉をいれた袋を
集める軽い仕事だったせいかもしれない。車から落ちないように
取っ手を握って、車の後部の幅のあるところに座っていたアフリカ系の
若者が上機嫌でわたしにひとなつっこい笑顔で手を振った。わたしの
しぐさが彼に敬礼しているように見えたのかな?わたしは4時30分の
幼稚園のお迎えに遅刻しそうだったので余裕のない顔で
歩いていたのだけど、突然目の前に、それもすぐそば2メートル先に
現れた笑顔が素朴でものすごくフレンドリーだったので、みごとに
気持ちがほぐれた。笑顔になった。
遠ざかっていくごみ収集車を見送った。運転手がひとり、トラックに
しては速すぎるのではないかと思われるスピードを出して、坂を
下りていた。後ろには実際にごみを集める二人の若者が待機して
いるのだが、次のごみ収集地点に着くまでは立って棒につかまって
移動する。あんまり動きが軽やかで、楽しそうだったので、つい
公園で遊ぶこどもの気持ちを見たような気がした。
わたしなんて、後ろの棒につかまっても、はずみで振り落とされる
のがせきのやまだろうけど 動く自動車の後ろに立って移動するのが
とてもおもしろそうだった。
いきいきと仕事をしている人に会った。