プレイ時間:52時間

シンクロ率:97%

 

<評価>

総合:3

ストーリー:2

グラフィック:4

操作性:3

熱中度:3.5

ゲーム難易度のバランス:4

 

 

<特徴評価>

・アメリカ独立戦争の詳細まで描いたゲームは、日本ではレアなので新鮮味がある。

・事件が起きた場所や名所の解説、史実人物の登場と、歴史好きには楽しめる豊富な歴史コンテンツ

 

↑ヴァレーフォージで駐留するワシントンとコナー

 

ここまで描いたゲームは日本初じゃないだろうか。

 

アサシンクリード3をクリアして、素直な感想がこれだった。アサクリ3の舞台はアメリカ独立戦争。日本では、高校世界史の授業で出てくる以外は、有名なジョージ・ワシントンくらいしか知らない人が多いだろう。制作したUBIsoft社はフランスの会社なので、アメリカ独立戦争は馴染みのあるテーマかもしれないが、日本ではなじみが薄いテーマだ。それでも、ボストン茶会事件やバンカーヒルの戦いなど、アメリカ独立戦争をここまで描いたゲームは、日本ではおそらく初めてだろうし、欧米でもそんなに多くはないのではないか、と思う。

戦闘の面白さも前作より改善されている。マスケットが標準装備という時代をキッチリ反映して、白兵戦でもやや離れた敵は銃撃してくるのに対応しなければいけないし、カウンター攻撃ができるときはスローモーションになるので、アクションが苦手な人でも楽しめやすかったと思う。さらに、戦闘難易度もほどよく高くなった。前作では、敵の本拠地に真正面から攻め込んでも、ある程度慣れたプレイヤーなら無双して片っ端から敵をなぎ倒すことも可能だったが、アサクリ3になると敵の数が多くなると、けっこうしんどくなる。これはゲームを簡単にし過ぎない、いい変更だ。

その中で、主人公のコナーはアメリカ先住民であることも、かなり特徴的だ。先住民のコナーから見たアメリカ独立戦争、というだけで、かなり斬新なテーマに取り組んだ意欲的な作品であることは間違いない。なので、歴史好きなプレイヤーには、かなり興味深いゲームだろうし、未プレイならオススメできる作品だ。

 

その一方で、ゲームとして純粋に楽しいか、というとやや疑問が残ってしまった。具体的には以下の点である。

 

①細かいバグは多い。

ゲーム進行が不可能になるほどのバグはほとんどないが、主人公がオブジェクトに引っかかって動けない、というバグは2回ぐらいあった。それ以外にも、狩った動物が突如飛び上がって30mくらい吹っ飛んだところに落下するとか(なのでこの動物の肉と皮は取れなかった)、挙動に関するバグは確かにちらほら見受けられた。こういうのを見ると、ゲームの完成度に疑問符がつくが、こういうのを気にするプレイヤーにとってはストレスがたまるだろうし、そうでないプレイヤーは気にしなくてもいいだろう。

 

②ストーリーの描き方が浅い

先住民の子であるアサシン・コナーを主人公としているせいかもしれないが、いまひとつ主要登場人物たちの描き方が足りない。テンプル騎士団が敵であることは、これまでのアサクリシリーズ共通のテーマなので、前作も知ってるプレイヤーなら理解しやすいだろうが、アサクリ3から始めたプレイヤーは、おそらくコナーが何のために戦っているのか、あまり理解できなかっただろう。アサシン vs テンプル騎士団という対立とは別に、アメリカ独立戦争(愛国派 vs 王党派)、さらには第3勢力としての先住民が登場し、主人公のコナーはアサシンで第3勢力に属しているが、(基本的には)愛国派を支持して王党派と戦う、という立ち位置なので、話が複雑になってしまいやすい。その辺りを、上手に整理してコナーが戦う目的、ストーリーの整合性を取ることができれば、名作として讃えられたのではないか、と思う。

また、メインストーリーミッションで、画面のカットやセリフなどが、どうも半端に感じた。特に、中盤以降はその傾向が強い。話の途中で会話が突然終わったりするので、いまひとつ話に引き込まれなかった。

美麗なグラフィックや、歴史好きにはたまらないコンテンツ・解説などが優秀な分だけ、残念だった。

 

<アサシンクリード3はこんな人におすすめ>

①歴史(特に世界史)好き

②アサクリシリーズファン

③大自然、海、街など広いオープンワールドを自由に冒険したい人