今回は【がんばれ元気】というボクシング漫画に出てくる三島栄司について熱く語ります。
誰しもが、好きな漫画の人物、自分の人生に大きな影響を与えたキャラクターがいると思いますが、僕にとってそれが、三島栄司です。
三島は、優しくて、イケメンで、弱い人物です。その人間としての弱さも、僕が三島を愛するゆえんです。
では、さっそく紹介していきますね。
元気と三島の出会い
本作の主人公である堀口元気は、父亡き後、大金持ちの祖父母に引き取られ、なに一つ不自由のない生活を送っていました。(元気の母は、元気が生まれた後すぐに亡くなっていて、そのことが父と祖父母が仲悪い原因でもありました)
そんな元気は祖父母に隠れてボクシングを一人で続けていました。隠れてボクシングをやる理由は祖父母がボクシングを忌み嫌っているからです。
そんなある日、元気が小学4年生のころでした。のちにライバルとなる火山尊との対決で完敗を喫します。ハングリー精神でボクシングに向き合う火山に比べれば、自分のやってることなどボクシング遊びだと気づいたのです。
元気『おれは甘すぎた・・・!今まで何やってたんだ・・・・・!』
そんな元気を見た芦川先生(本作のヒロイン)は、元気をある男と会わせようとします。
芦川先生『わたしのしってるボクサーもね、あなたと同じように甘くて、弱い人なの・・・その人にあわせてあげる』
そうして芦川先生が元気を連れていったのが、ボロボロのボクシングジムでした。そこで三島が登場します。
そのおんぼろジムで三島はゴクゴク酒を飲んでました。仕事にはついてなく、一日中酒をかっくらう三島。
三島がこうして酒を飲んでるのには訳があります。三島は元全日本学生チャンピオンでした。オリンピック金メダル候補ともいわれて、将来を期待されていたのです。しかし、三島はオリンピックをけって、プロに転向しました。そしてプロのリングで関拳児と対決することになったのです。関拳児は本作のラスボス的存在です。
その関との試合で、三島は徹底的な完敗を喫します。この試合で三島と関のあいだでもうひとつの勝負が行われていました。それは、芦川先生を賭けていたのです。勝った方が芦川先生を手に入れるというものでした。この時、三島と芦川先生は交際していたのですが、関も芦川先生のことが好きだったのです。しかし、芦川先生は関にはついていかず、三島のそばから離れませんでした。
そんな過去が三島にはあって、自暴自棄になり、ボクシングから一戦引いていたのです。それでもジムにいたのは、やはりボクシングから離れられなかったのでしょう。未練もあったのかもしれません。
芦川先生が元気と三島を会わせたのには、元気と会わせることによって、三島に再びボクシングの情熱が呼びおこされると期待していたからでした。しかし、これでもまだ三島の心は動きませんでした。
事件が起こる・・・!
そんなある日、事件が起こります。ジムにチンピラが押し寄せてきていたのです。なぜかというと、この前の日に山谷という、三島と同じジムのボクサーがチンピラ相手にけがを負わせてしまったからです。しかし、少し殴ったというだけで、大義は山谷側にありました。そんなチンピラの仲間が大勢ジムに殴りこみに来て、慰謝料出せと言ってきたわけです。
そして、チンピラの親玉が言いました。
『金を出すか、それとも・・・山谷の拳をつぶすかのどちらかにしてもらおう・・・!』
山谷はやっとプロになったばかりで、それだけはやめてくれ!と懇願します。
そんな時でした。
三島『山谷にも会長にもほかの人にも手を出さないでくれ!頼む!みんなには将来リングに立つ夢がある・・・おれはもうリングを捨てた身だ・・・やるならおれをやってくれ!』
それを聞いたチンピラたちは怒りの矛先を三島に変え、チンピラの攻撃が三島に集中します。三島は這いつくばりながらもチンピラの暴力に耐えます。
元気『やめろ!』
三島『堀口!おまえはひっこんでろ!』
いつもはジムで酒をかっ食らってるだけですが、こんな時には仲間をかばおうとする三島マジでかっけぇっす・・・!三島の痺れるシーン1号です。
しかしそれでも、チンピラは山谷とジムの人間を殴っていきます。下種どもですね。
それを見て、三島はある決意をします。
三島『堀口・・・芦川先生、楽しそうにデートしてたか・・・?幸せそうだったか・・・?』
元気『う、うん。幸せそうだったよ・・・』
三島は芦川先生がほかの男性とお見合いしていたことを知っていたのです。
三島『そうか・・・よかった・・・ほんとによかった・・・これでおれも心おきなく消えることができる・・・・・』
三島は立ち上がり、チンピラにパンチを食らわせます!そのパンチは一撃で相手を粉砕できる威力でした。そして三島はチンピラたちを蹴散らしていきます。チンピラと三島の乱闘で三島の上着が破れ、三島の背中に大きな入れ墨があらわになりました。不動明王でした。
三島『堀口、見たか・・・ごらんのとおり、おれは二度とリングには立てない体なのさ・・・』
三島『ヤケを起こし、ヤクザの用心棒にまでなり下がったことがある男よ・・・立ち直ろうと思った時にはこの体さ・・・』
三島『傷害致死前科二犯!人呼んで不動明王の栄司!それがこのおれさ!』
あだ名までカッコいいと思えてしまうのは僕だけでしょうか?
そしてチンピラのボスキャラを倒した三島。そのあざやかなパンチを見た元気はこう思いました。
元気(この人にボクシングを教わりたい!)
チンピラを一人残らず蹴散らした三島は警察に自首しにいきます。
芦川先生の前から姿を消すことを決意していたのです・・・・・
三島との別れ
三島とジムの人間は駅のプラットホームにいました。もちろん元気と芦川先生もいます。
山谷『三島さん、申し訳ない、おれのために・・・』
三島『いいんだ、山谷。おれはおれのためにやったんだ』
そして三島は堀口を向き、強い意志のこもった眼でこう言います。
三島『何年先になるかわからんが・・・待っていてくれ!帰ってきたら・・・おまえにボクシングを教えてやる!』
三島の心に変化が・・・!光を失っていた三島にとって、元気にボクシングを教えることが希望となったんですね。
しかし芦川先生には・・・・・
芦川先生『・・・体に気をつけてね!わたしも待っているわ!』
三島『はやくおれのような疫病神とは縁を切るんだな・・・おまえのような女に、こういうような男は似合わないんだよ!』
三島は芦川先生のことを好きでした。愛していました。幸せになってほしいとも思っていました。しかし、関拳児に負け、人を殺めた自分には芦川先生のことを愛する資格はない・・・と思っていたのです。そういうところが三島の弱さでもあり、脆さでもありました。
この2人の愛は切ないですね・・・。もう泣けてくるんだが。
そして列車に乗り込み、三島とジムの人間は別れを告げます。
そして、元気はトレーニングを積んで待つことになるのです。三島が帰ってきて、元気にボクシングを教えることを・・・。
三島栄司を熱く語る 前編
終
↓以下、中編と後編です。