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しがないオッサンのしがないたわ言


今期の中でも期待作だった「片田舎のおっさん、剣聖になる」。
コミカライズは読んでいたので楽しみにしていた。コミカライズはとても読みやすく、作画もとても良く、まあ全体的にはジャンプらしさも感じるがこれは売れても不思議ではないなと思えるマンガだった。

そこで放送開始したアニメ版。

周知の通り、その評判はイマイチだ。

観た私もコミカライズと比べるとアクションシーンは物足りない感じがした。全体的としては良く出来たアニメだとは思う。が、コミカライズと比べると…??

どうやらアニメ版は原作をベースに作ったと聞こえてきた。いやいやコミカライズも原作をコミカライズしてるだろうにと思ったのだが、どうやら違うらしい。

そこで原作も読んでみた。

まだ6巻の途中までしか読めていないのだが、、、

正直ここまで違うとは、と読んだ人は思うだろう。

大筋の物語は変わりはない。キャラクターも変わらない。
が、細かいところが、割と違う。

ヘンブリッツとの手合わせのシーン、アニメ版ではベリルの一手で決着がつくが、コミカライズではヘンブリッツが何度死んだ?と思わせる程に実力の差を見せつけている。
原作もベリルはほぼ手を出さずに一手で終わらせる。アニメ版は原作に忠実だ。
ただコミカライズの方が読者には分かりやすく派手なアクションで好まれるだろう。

ルーシーの登場シーンは更に違う。
ベリルとルーシーは原作では手合わせだが、コミカライズではルーシーの芝居により真剣勝負に変わっている。

ここではベリルの所作が大きく変わっていて、原作とアニメ版ではしょうがなく対決して緊張感無い感じだが、コミカライズではベリルの本気が垣間見れる。

そう、原作もアニメ版もベリル自身の描写はいつも自信無さげで緊張感が無く、本気を出しているのどうかが、こちらに伝わりにくい。コミカライズはハッキリと切り替えがあるので、おっさん、本気出したら強いなと分かりやすい。

アニメ版ではまだ先なので詳細は伏せるが、コミカライズだけにしか登場しないキャラもいるし、キャラによっては原作には無い設定を付けられているキャラもいる。

Xで呟いたら、字面が悪いと言われたが、これは原作からの明らかな改変と言っていいだろう。

もちろん、悪い改変ではなく良い改変だとは思う。
コミカライズはおもしろいからだ。

原作を読みはじめて、コミカライズとの違いに驚いたのだが、コミカライズはなぜここまで改変したのか?原作者はそれをなぜ許したのか?

出版社が原作はスクエニ、コミカライズは秋田書店と違う。ここに何らかのパワーバランスがあるのかどうかは知りようもないが、本来ならちょっとぐらい問題になっても良さそうなもんである。

原作も読んだ感想としては、おもしろいとは思う。
が、物語の多くがベリルの一人称で描かれている。文体としてもベリル自身が見た事感じた事思った事を中心に書かれている。そして、誰がどうしたとか状況がどうなったという記述よりも、ベリル自身がこう考えた、こうだろうなという文章が多い。なので、極端に言うと会話だけを追っかけて、ベリルの思考はすっ飛ばしても物語は理解できる。それはアクションシーン、この作品では殺陣だが、そこでの動作的描写もベリル視点なので、イマイチ捉えきれない気もする。
あと、自戒の念も込めて言うと、ベリルのひとり語りが主体となるので、更に説明的になる場面も仕方なくある、故に長くなりがち、つまりおっさんの長い話になってしまっているのは、読み続けているうちに少々辛くなってくる。

「片田舎のおっさん、剣聖になる」は原作、コミカライズ、アニメ版のどれを初見とするかで印象はガラリと変わるだろう。
発行部数は800万部超えらしいが、これは原作とコミカライズの合計らしい。おそらく多くはコミカライズではないだろうか。
そこへの原作準拠のアニメ版は、制作側の事情もあるだろうが、多くの人には違和感あるアニメ化となってしまうのはしょうがないだろう。

コミカライズに際して、原作の持つ短所を直してある意味ジャンプ的な作品に再構成した秋田書店と作家さんの手腕はスゴイとしか言えない。
もちろん原作あってのコミカライズなんだけど。