最近、個人的にはまっている「青春ブタ野郎」シリーズ。
原作の方も全巻読んでしまうぐらいなのだが、遂に映画館にまで足を運んでしまうまでいってしまった。
観に行く気はあまりなかったのだが、、、
大学生編アニメ制作決定ということで、お祝いも兼ねて観に行った。
来場者特典の小説が欲しかったのもあるが。
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ストーリーは主人公梓川咲太自身が思春期症候群を患う?という内容で、最後はそれを自分自身で乗り越えるという、今までの通りの展開となっている。
その対象が自分の家族であったという点が違いかな?
原作ファンなら観ておいて損はない映画だと思う。
主要な登場人物が一通り思春期症候群を乗り越えたという点で、高校編が終了ときれいな形になっている。
それでも「霧島透子」という次につながるワードはしっかりと出てくるが。
「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」はこのシリーズの中でも一番の盛り上がるところだったと思うが、映画にしたことでその上映時間のせいで少し窮屈な展開だった。
その後の「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」はアマプラのレンタルで観たのだが、こちらは時間通りというか窮屈な感じもせずに、きれいにまとまっていたと思う。ただストーリー的に進学と受験の話であったのは、青春ブタ野郎シリーズをSFと捉えている私には物足りなかった。
今回のランドセルガールはSF感もあって上映時間でキレイにまとめられた展開だったと思う。結局ランドセルガールの正体は明かされないが、それもSFたる所以ではないかと思う。
むしろパラレルワールドで全てが思い通りに行っている世界線での咲太がどういう思いであのメモ書きを残したのかが気になる。
ただ、難点をあえて言うのならば、上映時間75分は短い!
映画を観るとなると、今や2000円を払う時代になった。2000円が高いのではなく、75分が短すぎる。他の作品の2時間や少なくとも90分、シンエバのような2時間30分のような長編も2000円、、、。来場者特典も今では珍しくなくなった。そこで75分は、、、。内容が間延びしたりするのは困るが、もう少しどうにかならないか?と感じる。
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以前にも少し書いたが、私はこの青春ブタ野郎シリーズを「SF」と捉えている。
ラブコメとか学園物とかジャンルの定義は様々だろうが、「SF」というのが一番しっくり来ている。
タイトルの青春ブタ野郎とかバニーガールとか、内容としての桜島麻衣が芸能人であったりハーレム要素があったりと、「受ける」要素が多いのだが、このシリーズの本質は「SF小説」だと思う。
さらに今作の前身、というか元ネタまでいかないまでも影響を与えている、もしくは作者的オマージュの対照は「涼宮ハルヒの憂鬱」ではないかとも思う。
おいおい、共通点はバニーガールだけやん!
ちょっと待って。
「涼宮ハルヒの憂鬱」も涼宮ハルヒというキャラクターが目立つが、内容的には「SF」でタイムループ等の共通点というかSFの定石は両作で共通している。
量子力学とか小難しいワードを出しているところも同じだ。
青春ブタ野郎は涼宮ハルヒを、キャラクターの魅力に全振りせずにバランスよくキャラ、ストーリー、世界観を作ったものと考えている。
更に、涼宮ハルヒの憂鬱はエヴァというロボットを抜いたエヴァンゲリオンとも思っていて、人物の関係図はアスカとミサトを合体させて主人公にしたのがハルヒで、キョンはシンジ、長門は言わずもがなのレイ、みくるは置いておいて。ストーリーはさすがに違うが、エヴァンゲリオンが謎を謎のまま放置する手法と同じく、涼宮ハルヒも難解なワードを出しては来るが結局訳が分からないという手法は、まあSFであれば似たようなところはあるが、同じように感じる。アニメにおいてもエンドレスエイトのような実験的な回も、庵野監督がナディアやエヴァでやったのが意図したものであったにしろなかったにしろ、エヴァの影響があったのでは?と思う。
大きな違いは庵野監督が全裸でむき出しであったのに対して、石原監督の方はそうではなかったという点だろうか。
と勝手にエヴァ→ハルヒ→青豚という関係性を考えているのだが、多分間違っているだろう。
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原作を読むと、実は大学生編はまだ物語の途中ではあるがシリーズを長引かせる為ではないかと思う。
売れているシリーズなので理解もするが、思春期症候群というワードと大学生はしっくりこないし、舞台が大学にになったからこそ違和感がある。
高校生編で咲太自身が乗り越えたところで終わるのも良かったかもしれない。ただそうなると桜島麻衣とのラブ要素が少なくなってしまうので、一般受けは良くないだろう。
それでもこの霧島透子編が最終編のようなので楽しみにしている。