11月16日

オデュッセウスは先ず首領格のアンティノオスを射る。すると、

ἐκλίνθη δ᾽ ἑτέρωσε, δέπας δέ οἱ ἔκπεσε χειρὸς (22-17)

体は一方に傾き、彼の手から盃が落ちた

βλημένου, αὐτίκα δ᾽ αὐλὸς ἀνὰ ῥῖνας παχὺς ἦλθεν

αἵματος ἀνδρομέοιο: θοῶς δ᾽ ἀπὸ εἷο τράπεζαν (22-18,9)

射られた彼の(手から)、たちまち鼻から太い管が出た

人間の血の(管が)、同時に卓を彼から


ὦσε ποδὶ πλήξας, ἀπὸ δ᾽ εἴδατα χεῦεν ἔραζε: (22-20)

足で蹴飛ばし、食い物を床に散らばした

行間から血塗られた情景が浮かび上がってくる。

「太い管αὐλὸς παχὺς」も凄まじい。αὐλὸςの原義は「笛、管」だ。「血の迸り」の語義もあるが、それは派生した意味だろう。ここではより即物的な原義でとりたい。

 それと、18行目から次行に掛けて、[a] 音が響いている。

βλημένου, αὐτίκα δ᾽ αὐλὸς ἀνὰ ῥῖνας παχὺς ἦλθεν

[ blêmenû, autika d’aulos ana rînas pakhus êlthen]

αἵματος ἀνδρομέοιο: θοῶς δ᾽ ἀπὸ εἷο τράπεζαν

[haimatos andromeoio: thoôs dapo heio trapezan]

まるで[a] 音が血を象徴しているかのようだ。

スペイン語をはじめる気になったのは、いつかグラナダのアルハンブラ宮殿を訪ねてみたいと思うからだ。あそこはイスラム文化の頂点の一つなのだろう。東西の接点という意味でも興味深い。