8月29日
求婚者達の善後策協議の場でアンティノオスが発言する。このアンティノオスは(名前は紛らわしいが昨日のeasy-goingなアンピノモスとは別人で)求婚者達の中で頭目的存在だ。
λαοὶ δ᾽ οὐκέτι πάμπαν ἐφ᾽ ἡμῖν ἦρα φέρουσιν. (16-375)
市民達も我々に全く好意を寄せておらぬ
ἀλλ᾽ ἄγετε, πρὶν κεῖνον ὁμηγυρίσασθαι Ἀχαιοὺς
εἰς ἀγορήν—οὐ γάρ τι μεθησέμεναί μιν ὀΐω, (16-376,7)
さあ彼(テーレマコス)がアカイア人達を集会に呼び集める前に
(彼の破滅を企てよう)、というのも彼は最早少しの猶予もしないだろうから
『オデュッセイアー』には市民の存在がある。あまり表に出てこないが、第二歌ではテーレマコスが市民の前で求婚者達の非道振りを訴える場面があった。市民は求婚者達に味方しているわけではない。求婚者達は市民の動向を恐れている。
山路閑古『古川柳』読了。一ヶ月程掛けて楽しみながら読んだ。成る程という名句がいくつもあった。
元日の朝はまばらに夜が明ける
そうそう、早起きして初日を拝む家があるかと思えば、寝正月の家ありだ。
三味線の撥をあくびのふたにして
芸者の仕草などにいかにもありそうではないか。
若旦那夜は拝んで昼叱り
若主人と下女は出来ているというわけだ。
雷をまねて腹掛けやっとさせ
これは註を要しない。
月へ投げ草へ捨てたる踊りの手
言い得て妙。