11月28日
オデュッセウスは今度は裏切った女共の懲罰にかかる。忠実な老乳母エウリュクレイアから誰が不義不忠であったかを訊く。そしてテーレマコス達三人にその不義不忠の十二人の処分方を言いつける。
θεινέμεναι ξίφεσιν τανυήκεσιν, εἰς ὅ κε πασέων
ψυχὰς ἐξαφέλησθε καὶ ἐκλελάθωντ᾽ Ἀφροδίτης, (12-443,4)
(その女召使い共を)刃長き剣で斬り殺すのだ、すっかり
命を奪い取り、(彼女等が)アプロディーテー(愛欲)を忘れ去るまで
τὴν ἄρ᾽ ὑπὸ μνηστῆρσιν ἔχον μίσγοντό τε λάθρη. (12-445)
求婚者共と密かに交わり味わった愛欲を
オデュッセウスは女達にも容赦しない。そこまでする必要があるのか、非情に過ぎないかとも思うが、しかしテーレマコスはそれ以上だ。テーレマコスは言う。
μὴ μὲν δὴ καθαρῷ θανάτῳ ἀπὸ θυμὸν ἑλοίμην (22-462)
決してきれいな死に方で殺しはしないぞ
τάων, αἳ δὴ ἐμῇ κεφαλῇ κατ᾽ ὀνείδεα χεῦαν
μητέρι θ᾽ ἡμετέρῃ παρά τε μνηστῆρσιν ἴαυον. (22-463,4)
私に対し侮辱を浴びせた女共には
我が母に対してもだ、そして求婚者共と寝た(女共には)
殺すのみならず「きれいな死に方καθαρῷ θανάτῳ」を許さないとは。そして実際父オデュッセウスの指示以上の残忍な方法を使う。
しかし、少し長くなった。続きは明日に譲ろう。
勘違いといえば、かつてもう一つ、自分自身に大きなのがあったことを思い出した。
赤塚不二夫が大活躍していた頃、詩人志向の私の友人が「ランボーはバカボンだったんだ」と呟いた。これには仰天した。流石詩人の卵の発想は凄い、奇抜だ、ランボーを天才バカボンに比するとは、と。ところが後に、卵は「バガボンvagabond(放浪者)」と言っていたことを知った。何だ、それならむしろ紋切り型ではないか。一人苦笑すると同時に落胆したことだった。