11月19日

納戸から武器を持ちだしたのは山羊飼メランティオスだった。それと知ったオデュッセウスは豚飼と牛飼を派遣する。再び武器調達のため納戸に向かったところを取り押さえるようにと。

ἦ τοι ὁ μὲν θαλάμοιο μυχὸν κάτα τεύχε᾽ ἐρεύνα,
τ
ὼ δ᾽ ἔσταν ἑκάτερθε παρὰ σταθμοῖσι μένοντε. (22-180、1)

彼(メランティオス)は納戸の奥で武器を漁っていた

二人は入り口の柱の両側に待ち受けて立った

εὖθ᾽ ὑπὲρ οὐδὸν ἔβαινε Μελάνθιος, αἰπόλος αἰγῶν, (22-182)
そして、山羊飼のメランティオスが敷居にさしかかった

τῇ ἑτέρῃ μὲν χειρὶ φέρων καλὴν τρυφάλειαν, 

τῇ δ᾽ ἑτέρῃ σάκος εὐρὺ γέρον, πεπαλαγμένον ἄζῃ, (22-183,4)

片方の手には美しい兜を持ち

もう一方の手には黴に汚れた広く古い楯を(持ちさしかかった)

牛飼メランティオスは待ち受ける二人に気づいていない。「敷居にさしかかったὑπὲρ οὐδὸν ἔβαινε」など、情景が目に浮かぶようだ。そして豚飼と牛飼の二人は山羊飼を取り押さえ、縛り上げ、梁から吊す。

こうして見るとオデュッセウス親子と求婚者の戦いに併行して、牧人世界においても善玉悪玉の戦いが行われていることに気づく。こういう世界の広さも『オデュッセイアー』の魅力の一つだ。

 この秋一番の寒さ。暖房が欲しくなる。厚い布団も出さなくては。

 そういえば、オデュッセウスがイタケーに着いた後豚飼小屋にとまった折には、寒さ厳しい夜の描写があった。これくらいの気温だったのだろうか。