11月13日


弓を張り終えた老人は弦を試す。


δεξιτερῇ ἄρα χειρὶ λαβὼν πειρήσατο νευρῆς:
ἡ δ᾽ ὑπὸ καλὸν ἄεισε, χελιδόνι εἰκέλη αὐδήν. (21-410,1)

右手で摘んで弓弦を試すと、

それは燕の声音にも似て美しい音を立てた


燕が出て来た。今にもオデュッセウスは求婚者達誅殺を開始しようとしている。その手段である弓が燕の声音を立てる。皮肉であると同時に、爪弾くオデュッセウスの余裕でもあろう。


夏の初め、燕が飛び始める頃、燕にちなんでこの詩行を引用したことがあった。見直してみたら5月2日、3日の項だった。もう半年もたったのか。