10月27日


 食料も運び込まれる。

 まず、豚飼エウマイオスが豚を連れてやってくる。そして、豚飼が老人(オデュッセウス)と話しているところに、山羊飼がやってくる。


ἀγχίμολον δέ σφ᾽ ἦλθε Μελάνθιος, αἰπόλος αἰγῶν. (20-173)

彼らの近くに山羊飼メランティオスがやってきた


例によってメランティオスは老人に悪態をつく。そこに今度は初登場の牛飼ピロイティオスがやってくる。


τοῖσι δ᾽ ἐπὶ τρίτος ἦλθε Φιλοίτιος, ὄρχαμος ἀνδρῶν, (20-185)

彼らのところに三番目に人夫頭のピロイティオスがやって来た


この牛飼いピロイティオスは老人を見て優しい言葉を掛け、かつ主人オデュッセウスへの思いを口にする。

ここで三人の牧人が揃ったわけだ。そしてそれぞれの名は、豚飼「エウマイオスΕὔμαιος」、山羊飼「メランティオスΜελάνθιος」、牛飼「ピロイティオスΦιλοίτιος」。

Εὔは「良き」、Μελάνは「黒い」、Φιλοは「愛する」を意味する。詩編におけるそれぞれの役割、性格に応じた命名だろう。そういえば女達にもそういう例があった。忠実な老乳母の名は「エウリュクレイアΕὐρύκλεια」であり、あの小生意気な侍女は「メラントーΜελανθὼ」だ。


今日は月が綺麗だ。夜、正面に澄んだ満月を見ながら坂道を登って帰って来た。

ところで詩編における今日は「祭りの日ἑορτή(12-156)」だった。古注によると新月のアポーロンを祀る日であるらしい。ということは満月に新月を読んでいることになる。