9月30日

オデュッセウスの切り返しに怒ってエウリュマコスは「足台σφέλας」を投げつける。前にも(引用しそびれたが)山羊飼メランティオスの悪口の中で足台を投げつける話が出て来た(17-231)。こういう投げつける時にどうして足台が使われるのか、そもそも足台とはどんな形状のものだったのか。ここら辺は、辞書にも註釈にも説明がない。いつか調べてみたいと思う。

さて足台は近くの給仕に当たり、給仕が手にしていた徳利は落ち給仕は倒れる。その騒ぎに求婚者達は言い交わす。

αἴθ᾽ ὤφελλ᾽ ὁ ξεῖνος ἀλώμενος ἄλλοθ᾽ ὀλέσθαι
πρὶν ἐλθεῖν: τῷ οὔ τι τόσον κέλαδον μετέθηκε. (18-401,2)

あのよそ者は放浪中にどこかで死んでしまえばよかったのだ

ここに来る前に、そうすればこんな騒ぎを起こすこともなかったのだ 


νῦν δὲ περὶ πτωχῶν ἐριδαίνομεν, οὐδέ τι δαιτὸς
ἐσθλῆς ἔσσεται ἦδος, ἐπεὶ τὰ χερείονα νικᾷ. (18-403,4)

いまや乞食のことで我々は争っていて、よきご馳走の

楽しみようもない、下らぬ事がのさばっているので

求婚者達の困惑振りが窺える。一人の乞食のために求婚者達が振り回されている。何かそこに不気味なものを感じ始めているのだろう。これまでも時折垣間見えた来るべき破滅の前兆、予感の一つだ。

テーレマコスは「私は誰も追い出しはしませんが」といいつつも、「気が向いたらお帰りになって下さい」と言う。求婚者達がめいめい自宅へ寝に帰るところで第十八歌は閉じられる。

朝ピュイを発ってパリに向かう。旅も終わりに近付いている。昼頃パリ着。明日朝の空港行きに備えてリヨン駅近くに投宿。

駅に面したカフェのテラスで昼食。オムレツ。これが旨い。サヴォワ風とあってチーズが合っている。サンルイ島、シテ島、ルーブル周辺を歩く。大規模デモ隊に出くわす。歳出削減策反対のシュプレキコールが聞こえる。日曜とあってスーパーも大きな店は見事に休み。セーヌ沿いのブキニストだけは開いている。

ノートルダムでは夕方のミサ。ミサを抜け出して外に出ると寺院の後ろに大きな満月がかかっている。月は日本と同じだ。

 月清しノートルダムの石浄し  拙作