9月27日


 さて「か黒き夕闇」が来て、広間には三つの大きな燭台が据えられる。

ὄφρα φαείνοιεν: περὶ δὲ ξύλα κάγκανα θῆκαν,
αὖα πάλαι, περίκηλα, νέον κεκεασμένα χαλκῷ, (18-308,9)

明るく照らすために。周りには乾いた薪を置いた

長らく干して乾燥したのを、今青銅で割ったものだ



この二行からは、「か黒き夕闇」に火が燃え盛る様が浮かんでくるような気がする。それはきっと、これらの詩行が含む音調と無関係ではあるまい。


  [ ophra phaeinoien : peri de kshula kankana thêkan

aua palai perikêla neon kekeasmena khalkô ]



P音とk音が響いている。日本語の擬態語でも「パッ(と明るくなる)」とか「ピカッ(と光る)」とか、あるいは「カッカ(と火が熾る)」とかがある。



「ピュイPuy」とは変わった地名だが、遠く遡ると古代ギリシア語「足πούς [pûs]」に由来する語で、古フランス語では「丘」や「台地」を意味したらしい。南フランスにいくつもある地名だ。ここは正式には「ル・ピュイ・アン・ヴレLe Puy-en-velay」と呼ぶ。サンチアゴ・デ・コンポステーラのフランス側基点の一つだ。

まず岩山の上に立つサン・ミシェル教会を訪ねる。そこに奉納されているオリーブの木で作られたキリスト十字架がいい。キリストの面差しがスペイン風だ。

岩山を降りて町中のノートルダム寺院を訪れる。ここが巡礼の出発式が行われるところだ。寺院からの階段が巡礼路に通じている。逆にスペイン側からの巡礼者はピュイ近くの野からこの寺院を望んで、巡礼完遂の喜びに浸ったことだろう。

ここでも寺院の階段を降りきったところに古本屋がある。

 大西日怪盗ルパン五十円  拙作