9月18日
第十八歌に入る。
もう一人の乞食イーロスがやって来る。イーロスはオデュッセウス扮する乞食老人を、商売敵と思ったか、追い出しにかかる。そこでオデュッセウスは応える。
οὔτε τινὰ φθονέω δόμεναι καὶ πόλλ᾽ ἀνελόντα.
οὐδὸς δ᾽ ἀμφοτέρους ὅδε χείσεται, οὐδέ τί σε χρὴ (18-16,7)
わしは誰かがお前に沢山の物を取ってやったにしても羨みはしない
この敷居には二人を入れるに充分な幅がある、お前も(羨む)べきでない
「敷居に充分な幅がある」は面白い。こういう即物的な表現がホメーロスは得意だ。「敷居οὐδὸς」は乞食の定席であったようだ。
「敷居」もこの詩編でよく登場する単語だ。各部屋の入り口にあった。前歌の末尾付近で豚飼がペーネロペイアの伝令役を務めた場面でも「敷居」が出ていた。
τὸν δ᾽ ὑπὲρ οὐδοῦ βάντα προσηύδα Πηνελόπεια:
οὐ σύ γ᾽ ἄγεις, Εὔμαιε: ・・・ (17-575,6)
敷居をまたごうとする彼(豚飼)にペーネロペイアは話しかけた
「エウマイオスよ、お前は連れてこなかったのかい・・・」
ペーネロペイアは老人の話をすぐにも聞きたいと思い連れてくるようにいった、しかし老人(オデュッセウス)は夜まで待った方がいいと応え、その復命に豚飼は来た。その報告を聞く前に、というより部屋に入ろうとする時にいち早くそれと見て取ったペーネロペイアが、「お前は連れてこなかったのかい」といったわけだ。「敷居をまたごうとするὑπὲρ οὐδοῦ βάντα」が効いている。
九月句会。会場は久しぶりの芭蕉記念館。
ゴーヤーのカーテン揺れる美容室 律子
炎暑の中で涼しげなゴーヤーの緑のカーテン、それと美容室との取り合わせの妙。あばたのチャンピオンみたいなゴーヤーが少しのしみも気にするマダム達を守っている図、これは俳諧だ。
月光や老女童女となる時も 拙作