8月2日


テーレマコスはメネラーオスに出立の意向を告げる。対するメネラーオスの応えがこうだ。


ἶσόν τοι κακόν ἐσθ᾽, ὅς τ᾽ οὐκ ἐθέλοντα νέεσθαι
ξε
ῖνον ἐποτρύνει καὶ ὃς ἐσσύμενον κατερύκει. (15-72,3)

同じように悪しきことだ、行くことを望まない

客人を促し、急いでいる客人を引き留めることは


χρ
ὴ ξεῖνον παρεόντα φιλεῖν, ἐθέλοντα δὲ πέμπειν. (15-74)

滞在している客人は歓待すべし、(行くことを)望む客人は送り出すべし


全くそうだ。異人歓待、客人歓待は美風に違いない。しかし行きすぎると客としては、好意は有難いのだが、折角の好意を無下にするわけにもいかず正直困ることがないでもない。メネラーオスはここでは世情に通じた人物となっている。


先日の句会投句から、少し涼しげな句を。

  百鳴って百の寂しさ風鈴売り  やち坊主

「百」「百」と繰り返したところが絶妙。あちこちから聞こえる感じが出ている。「風鈴売」と字余りにしないで「風鈴屋」でいいのではないかという見方もないではないが、

「ウリ」の「リ」音が利いて響いているからやはり原句がよさそうだ。

憎らしと団扇の風に叩かるる  てつや

粋な古俳句、軽妙な古川柳の趣がある。色気もある。浴衣の袖をまくって叩く仕草が目に浮かぶ。「おおいてえ」などといいながら、叩かれた方もまんざらではないのだ。いい仲にちがいない。