8月1日


第十五歌に入る。

アテーネーはスパルテー滞在中のテーレマコスのところに行き、その枕元に立って語りかける。久しぶりのテーレマコス登場、第四歌以来だ。


Τηλέμαχ᾽, οὐκέτι καλὰ δόμων ἄπο τῆλ᾽ ἀλάλησαι,
κτήματά τε προλιπ
ὼν ἄνδρας τ᾽ ἐν σοῖσι δόμοισιν (15-10,1)

テーレマコスよ、家から離れて遠く彷徨しているのは良くない

財産も男達もお前の家に残したまま


οὕτω ὑπερφιάλους: μή τοι κατὰ πάντα φάγωσι
κτήματα δασσάμενοι, σ
ὺ δὲ τηϋσίην ὁδὸν ἔλθῃς. (15-12,3)

あれほど驕り高ぶった(男達を)、全て食いつぶされる恐れがある

財産を山分けして、そしてそなたの旅も無駄になってしまうやもしれぬ


「彷徨している」と訳したこἀλάλησαιの語義は「さまよい歩く、放浪する、彷徨する」であり、目的を持った旅ではない。ピュロスやスパルテーに旅して、ネストールやメネラーオスから父オデュッセウスの消息を尋ねるよう勧めたのはアテーネー自身だ。それが掌を返したようないい振りだ。

それを聞いたテーレマコスはしかし、それに何の疑問も抱かなかったようだ。彼は早速出立を急ぐ。オデュッセウスなら文句の一言でもあったかも知れない。「勧めたのはあなたじゃないですか」くらい言ったのではなかろうか。そういえば、同じ旅を巡ってオデュッセウスはアテーネーに対して咎める様な問いかけをしていた(13-417:7月11日の項)。


八月。近くの向日葵畑も満開だ。そこは地元の地主が提供して小学生達が植えたのだ。三万本もあるという。壮観だ。

 ひまわりの咲いて大口叩きけり  拙作