7月4日


 いよいよオデュッセウスは、パイエーケス人達によって故郷イタケーに送り届けられる。


εὖθ᾽ οἱ ἀνακλινθέντες ἀνερρίπτουν ἅλα πηδῷ, (13-78)

彼らが体を反り返らせて櫂で海を掻き上げはじめた時


その時、オデュッセウスの方はといえば
κα
ὶ τῷ νήδυμος ὕπνος ἐπὶ βλεφάροισιν ἔπιπτε,
νήγρετος,
ἥδιστος, θανάτῳ ἄγχιστα ἐοικώς. (13-79,80)

彼には快い睡りが瞼の上に落ちた

覚めようもない、甘美な、ほとんど死の如き(睡りが)


パイエーケス人達は、眠ったままのオデュッセウスをイタケーに置いて帰路につく。このオデュッセウスの「睡り」は、漂流中の苦難と故郷後の苦難の境界であり、また幻想的世界と現実の世界との境界でもある。


梅雨の晴れ間。三十度くらいあるのではなかろうか。日陰のない道は難儀だ。