6月1日

今日から6月。更衣だ。

 珍しき妻の正座や更衣  拙作

オデュッセウス一行は冥界に向け船を出す。キルケーが追い風を送ったこともあって丸一日の航海で、大洋オーケアノスの涯キンメリオイ族の国に着く。そこでは、

ἠέρι καὶ νεφέλῃ κεκαλυμμένοι: οὐδέ ποτ᾽ αὐτοὺς
ἠέλιος φαέθων καταδέρκεται ἀκτίνεσσιν, (11-15,6)

霧と雲とで蔽われていて、決して彼らに

太陽が現れて光線を注ぐことはない

「注ぐ」と訳したκαταδέρκεταιは直訳すると「見下ろす」であり、ここでは「太陽ἠέλιος」は半分神だ。そして、その太陽は


οὔθ᾽ ὁπότ᾽ ἂν στείχῃσι πρὸς οὐρανὸν ἀστερόεντα,
ο
ὔθ᾽ ὅτ᾽ ἂν ἂψ ἐπὶ γαῖαν ἀπ᾽ οὐρανόθεν προτράπηται, (11-17,8)

  星々輝く天空に向けて昇る時にも(注ぐことは)なく

天空から大地に戻って来る時にも(注ぐことは)ない

陽は昼間中射しているはずなのだが、その光線を感じるのは確かに日の出と日没だということに気づく。

日の出を「星々輝く天空に向けて昇る時」とする捉え方も面白い。いかにもギリシアだ。