4月1日


各地で開花宣言が出されつつあるが、ここら辺はまだ咲いていない。今日の花見を楽しみにしていた人もいたようだが。今年の桜前線は全体に遅れ気味だ。


今日から第七歌だ。

さてオデュッセウスを町外れに残して王女ナウシカアーは町中に入っていく。


κούρην δὲ προτὶ ἄστυ φέρεν μένος ἡμιόνοιιν. (7-2)

娘を町中へと逞しい騾馬が運んでいった


「逞しい騾馬が」と訳したが実は原詩では「騾馬の力が(μένος 力+ἡμιόνοιιν騾馬の)」だ。こういう近代語なら形容詞になるところを名詞にするのはホメーロス的だ。それもμένος(力)の場合によく見られる。


ὀξεῖαι δ᾽ ὀδύναι δῦνον μένος Ἀτρεΐδαο.(『イーリアス』11-268)

そして鋭い痛みが豪勇のアトレウスの子に入り込んだ

(直訳:そして鋭い痛みがアトレウスの子の力に入り込んだ)


ὣς ἔπεσ᾽ Ἕκτορος ὦκα χαμαὶ μένος ἐν κονίῃσι:(『イーリアス』14-418)

そのように豪勇のヘクトールはたちまち地面の砂塵の中に落ちた

(直訳:そのようにヘクトールの力はたちまち地面の砂塵の中に落ちた)


力自体の存在感が伝わってくるような表現だ。