3月21日
ナウシカアー達は洗濯を始める。
εἵματα χερσὶν ἕλοντο καὶ ἐσφόρεον μέλαν ὕδωρ,
στεῖβον δ᾽ ἐν βόθροισι θοῶς ἔριδα προφέρουσαι. (6-91,2)
着物を手に取り翳黒き水の中に入れ
窪みでせっせと踏みつけた、競い合って
「競い合ってἔριδα προφέρουσαι」が面白い。ἔριδα は「争い」、προφέρουσαιは「προ前に」+「φέρουσαι持って」だ。「競争心をむきだしにした」娘達の姿が浮かんでくる。
水の中の洗濯を終えると干す段取りとなる。
ἑξείης πέτασαν παρὰ θῖν᾽ ἁλός, ἧχι μάλιστα
λάιγγας ποτὶ χέρσον ἀποπλύνεσκε θάλασσα. (6-94,5)
海の渚に(洗濯物を)順に並べた、そこはとりわけ
岸辺の小石を波が洗い清めた場所である
こうした段取りも、そして選ばれる場所も、また万古不易だ。
共同洗濯場は世界中にあった。つい一世紀位前までは使われていたのではなかろうか。
フランスでは、そのものずばり「洗濯場のフランスLa France des Lavoirs」といった本も出ている。文化財に指定され保存されているところもあるらしい。日本でも「おばあさんは川に洗濯に」の川端の昔から、井戸端にところを移したとはいえ、共同洗濯場の井戸端会議は一,二世代前まで生きていた。