オデュッセウスは出発する。
οὖρον δὲ προέηκεν ἀπήμονά τε λιαρόν τε.
γηθόσυνος δ᾽ οὔρῳ πέτασ᾽ ἱστία δῖος Ὀδυσσεύς. (5-268,9)
(カリュプソーが)穏やかで暖かな順風を送れば
尊いオデュッセウスは喜んで順風に帆を張った
繰り返されるοὖρον、οὔρῳ は風の内でも追い風、順風だ。
269行目は、行頭γηθόσυνος(喜んだ、喜んでと訳したが実はオデュッセウスにかかる形容詞)と行末Ὀδυσσεύς(オデュッセウス)とがοὔρῳ πέτασ᾽ ἱστία(順風に帆を張った)を挟んだ形になっており、喜び勇んで帆を張るオデュッセウスの姿が浮かんでくる。
しかしながら、オデュッセウスに対し怒っている海神ポセイダーオーンはそれに気づく。
ὢ πόποι, ἦ μάλα δὴ μετεβούλευσαν θεοὶ ἄλλως
ἀμφ᾽ Ὀδυσῆι ἐμεῖο μετ᾽ Αἰθιόπεσσιν ἐόντος, (5-285,6)
なんたることか、まったく神々は考えを変えたな
オデュッセウス奴について、俺がアイティオペースに往っている間に
第1歌冒頭のくだりを想起させると共に、今後オデュッセウスが蒙るであろう苦難を予告する詩行だ。
椿が蕾を沢山つけている。今日の冷たい雨に濡れていたが、もう白椿、紅椿の違いが分かるくらいだ。