1月20日
雨のない日が記録的な長さで続いたと思ったら今日は雪。
テーレマコスが再び求婚者たちを非難すると、ゼウスは予兆として鷲を放つ。鷲は集会の上空に来て求婚者たちを見下ろす。
ἐς δ᾽ ἰδέτην πάντων κεφαλάς , ὄσσοντο δ᾽ ὄλεθρον (2-152)
皆の頭を見下ろし、破滅を兆しを示した
「兆しを示した」と訳したὄσσοντο はもっとも普通の意味は「見た」だ。ここも「破滅を見た」でいいのかもしれない。「破滅を見た目」はそれが持つ表情が破滅を予示するのであろうから。目は見るものであると同時に見たものを映す鏡でもある。
1月21日
それを見て鳥占師が言う。
求婚者たちに破滅が迫っていて、その害は他の者達にも及ぶ、
οἳ νεμόμεσθ᾽ Ἰθάκην ἐυδείελον . ἀλλὰ πολὺ πρὶν (2-167)
目に著るきイタケーに住む(他の者達にも)、さあその前に
よく思案しようではないか、と。
舞台となっているオデュッセウスの故郷イタケーに枕詞的形容詞「ἐυδείελον よく見える、目に著るき」がついている。すでにあった「ἀμφιάλῳ 海に囲まれた」と相俟ってイタケー島の島影が浮かんでくるようだ。
今年の歌会始の題は「岸」だった。イタケーではないが島国日本ならではの歌が寄せられている。中でも際立っていたのは美智子皇后の歌だ。
帰り来るを立ちて待てるに季のなく岸とふ文字を歳時記に見ず
いわゆる皇族らしい歌ではなく、個性的で思いのこもった歌だ。