1月14日
昨夜は近所の新年会。ほとんど同年代の五組の夫婦。たわいない話が尽きない。深夜まで。従って今日は少し寝坊。
求婚者の一人が、オデュッセウスの後継として誰をイタケーの地を治める者とするか、それを決めるのは神々だとしてこう言う。
Τηλέμαχ᾽, ἦ τοι ταῦτα θεῶν ἐν γούνασι κεῖται (1-400)
テーレマコスよ、そのことは神々の膝に横たわっている
「裁量下にある、思し召しに掛かっている」を「γούνασι膝」に横たわっていると言うのは、少し前(275行)にもあってすでに二度目だ。「膝」はホメーロス世界では重要な働きをしているようだ。懇願の時は膝に触るし、子を膝に抱くことをもって親子関係の象徴させる一節もあったと思う。昨日のくだりの「歯と唇」といい今日の「膝」といい、こういう身体の各部に関わる表現がホメーロスは得意だ。
1月15日
第1歌末尾。テーレマコスは床につく。
ἔνθ᾽ ὅ γε παννύχιος, κεκαλυμμένος οἰὸς ἀώτῳ,
βούλευε φρεσὶν ᾗσιν ὁδὸν τὴν πέφραδ᾽ Ἀθήνη (1-443,4)
そこで彼は独り羊の毛布にくるまり一晩中
心の中でアテーネーが言った旅路のことを思い巡らした
アテーネーが勧めた、父オデュッセウスの消息を尋ねる旅のことである。詩編の次歌以降の展開が心待ちにさせられる巧みな末尾だ。
丁度半月で第1歌末尾まで来た。ひと月に二歌、この調子でいけば年末には『オデュッセイアー』全二十四歌を読み終えることになる。