152 裁判官の子として生まれてきたキミ | 京都 coffee bar Pine Book

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日々楽しく生きるにはコツがあります。
まずいちいち反応しない事です。
そしてオセロの4つ角を取る事です。
4つ角とは?
1 健康
2 人間関係
3 趣味
4 仕事
コレが楽しく生きるコツです

3番目の坂、さか、サカ・・・


人生の坂である、まさか!




ある日突然、後頭部を暗闇で殴られたように襲ってくる「まさか」


次生っ! 


なんや?・・・


おかあちゃんがな、事務所の通帳を渡してやて!


おかあちゃんが?

なんで直接ボクに言わんのや?おかあちゃん?


松本保三の6番目の子ども、次生の4歳年上の兄保彦である。


知らんがな、そんな事!

お前が聞いたらええがな。


また、明子がおかあちゃん誑かしたな?

で?あんたは使いパシリか?


明子のパシリ保彦が突然事務所に来て次生に言い放ったのだ。


妬む、妬まれる。

女編に石と書いて「妬」。

なんと頑強なイメージの「妬」


次生は松本家に産まれ落ちてからの「妬まれる」

が宿命としてあったのだ。


次生は松本保三法律事務所内にある金庫から、

事務所の通帳と印鑑を全て保彦に渡した。


あの日から36年・・・


次生は一度も大阪市北区西天満6丁目7番4号

大阪弁護士ビル603号室には行っていない、一度も。

次生の着替えのスーツ、沢山の私物。

全て置き去って二度と来ないと誓って退所した。


父松本保三、母松本喜久子が亡くなってから久しい。

が、未だに相続は終わっていない。


好き勝手に振る舞い生きてきた2男と4女。 

恐ろしい因果の法則を知らずに生きてきた

2男と4女。

「炸裂」したのである!因果のプーメランが。


複雑に絡まれた宿命の糸。


保三自身が見えていない未来。

出来るわけがない。

しようともしない。

法律家の子供に生まれてきて、その法律のプロフェッショナルがこの体である。


子供から親に言い難い相続の話。


ある日の事、次生は父保三に言った。


お父ちゃん?相続の事、考えてる?


なんや、次生!急に?


遺産相続はな、法律できめられてる事をよぉ知ってるやろ?


知ってる!

せやけど揉ましよるで、保彦と明子は!勝手に売りよるで?なんでもかんでも!


出来ひん出来ひん、勝手に売れへんて〜。


次生はこの時27歳。保三は67歳のバリバリの大阪弁護士会所属の弁護士である。


公明党顧問弁護士、創価学会顧問弁護士。

創価大学法学部教授と日夜この肩書きの元に次から次へとやってくる案件、法律問題、調停事件に裁判。


手早く次々と他の弁護士に振り分けていかないと事務所は機能不全になる。


当時の松本保三法律事務所は、遺産相続問題を中心に遺留分減殺請求・相続問題7割、離婚調停2割、その他1割であった。


「害毒」・・・

一族に巣食う害毒。


多分どこの一族にも巣食う「害毒」。


この「毒」がある日突然に撒き散らされるのである。


それはその一族が「天」からの試験で試されるかのように、急に「まさか」の坂が現れる!

試練の「真坂」爆弾である。

一族の皆がもれなく受ける試練。


冷静に沈着に対処しないと、「害毒」という砂に足を取られ地の底にズルズルと飲み込まれて強制終了になる。


次生は27歳の時、保三に言ったとおりの未来がやってきたのである。


やはり、正しかった。未来が見えていたのである。


この「一族」の害毒を中和して、「解毒」するのが次生の「宿命」であった。