龍安寺店からの移転の為に次生は自宅北側の土地に建築するべくイメージ画を描き2店舗の内装外装、2階住居部分の内装を書き上げたその日、京都新聞中開き広告に山科の建築設計事務所の案内に目が止まった。
次生は、ここにお願いしよう!と思い早速電話で問い合わせをしてみた。
設計事務所が女性の名前で珍しいな?と思った。
翌日、五条の自宅で二階建て店舗付きの相談をこの設計事務所の設計士とするのである。
何故に1階が2店舗としたのか?
次生の天敵である4女と子供の為であった。
ここにくる迄、この4女には嫌と言うほど次生は振り回されてきたのだ。
これ程嫌な行為を弟に仕向けてくるのは、ひとえに嫉妬であろう。
前世で定められていた事かも知れない。
こういう事があった、こういう事もあった、と書くのも疲れる。
勿体無い人生を歩んで来たな?と次生は6歳年上の4女に怒りよりも哀れみを感じている。
両親はこの4女の虚言を真に受けての采配を他の兄弟姉妹達に下す。
たまったもんじゃないのである。哀れな女である。
兎にも角にも火のない所に煙は立たないとこに、ガソリンを撒き散らし点火していくのであるから、始末に困る。当然に嫌われる。
しかし、不思議なもので両親からはそれ程嫌われてはいない。アホな子ほど可愛いいのか?
両親もいかれてる。
巧みに潔子をお嬢様上がりの世間知らずの母親を虚構、虚言にて振り回すのが楽しくて仕方ないのだ。
しかし、幼少期から次生だけは言う通りに動かせない。次生を意のままに動かせないもどかしさが、情念となり、嫉妬の炎を燃やしていくのであった。
こんな4女を次生は両親が不憫に思っている事から、4女の為に店舗を作り2階に4女と子供を住まそうと建てたのだ。
潔子も康三も有り難がった。二男には到底出来もしない事である。
こうして五条の自宅土地には三件の新築住宅が建築された。
また、このウルトラCの電光石火の建設が後に遺恨となっていくのである。
次生は転生を信じている。
転生があるからこその人の格が生まれるのだ。
人間として転生の回数が少ないとやはり程度が低い判断しかできないのである。
聖人と呼ばれる人間もいる。
獣のような人間も沢山いる。
釈迦やキリストが人間として初めて生まれてきたのか?否、何回も何回も転生を繰り返してきた、との説明の方が納得できまいか?
次生は、親であっても転生の回数が少なければ子供は苦労する、と確信した。