公園に繁殖している葛ですが、
この葛のこと、実はよく知りませんでした。
ちょっと調べてみると、なかなか面白いですね。


木に絡みつく葛
この葛、ちょっと前まで外国からやってきた外来種だと思っていました。
外国でも、その繁殖力が猛威を振るっているという話を聞いたことがあったので。
でも、葛といえば、葛湯とか、葛餅とか、はたまた葛根湯も、葛から出来るもので、
日本に古くからある植物でした。

では、なぜ今になって葛の繁殖力が問題になっているのでしょうか?
理由は、
昔は、葛湯、葛餅などとして利用されてきただけでなく、
縄を作ったり、家畜の餌として利用したり、
はたまた若芽を食べたりしていたそうです。
なので、定期的に葛を人間が刈り取り、利用していたので、
過剰に繁殖することも無かったようです。
それが、現代では利用されなくなり、刈り取られることもなくなったため、
異常に繁殖してしまった・・・ようです。
うーん、つまり刈り取るしか、その繁殖を抑える方法はないということですね。基本的には。
ちなみに、外国での葛。
これは、日本から持ち込まれたものだそうです。
江戸末期だか明治の頃、日本で家畜の餌として利用されていた葛を見て、
アメリカ人がアメリカ本国に持ち込んだらしいです。
最初の頃は飼料として普及し、その繁殖力の強さもあいまって、すぐさまアメリカ全土に広まったようです。
おまけに道路法面の補強としても重宝され、積極的に植えられたんだとか。
それは戦後まで続いていたようです。
しまった!と気が付いたときには後の祭りで、
今では有害指定植物となっているようです。
別名、デビルプランツと言うらしい・・・
葛を、再び利用するようになれば、また刈り取る意欲も出てくるのでしょうが、
葛餅の原料となる葛粉は、取り出すのがなかなか大変だとか。
また僅かな量しか取れないため、
売られている葛餅も、実際に含まれている葛粉の割合はわずかなんだとか。
(高級和菓子は別みたい)
葛根湯は、風邪の時にお世話になる人も多いので、葛根湯が簡単に作れるとよいのですけどねぇ。

どこかの国の砂漠では、この葛を持っていって、
緑化のために植えているらしいです。
その繁殖力の強さにより、緑化に貢献しているという話も聞きますが、
いざ、緑化に成功した後、どうするんだろう・・・という気もしますね。

今のところの有効策は、
地道に刈り取り、残った茎と根っこを専用の除草剤で枯らすしかないようです。
また、この茎と根っこがしぶとくて、根っこはかなりの深さまで潜ってます。
聞くところによると、パワーショベルで数メートル掘り返して駆除した、
という荒業をやったところもあるみたいですね。

まぁ、葛を悪者にするのは気が引けるのですが・・・
他の植物を枯らしてしまい、葛だらけになってしまうので、
ちょっと大人しくしてもらうだけでいいんですけどね。