私は「NAO」

最近、介護職員になりました。

事業所名は「新しい介護のリーダーズ株式会社」です。

職員と言っても資格的には「ヘルパー」扱いです。

 

ガイドヘルパーは基本的に「直行直帰」です。

報告書の提出が義務付けられていますが方法は各社様々です。

「新しい介護のリーダーズ株式会社」では報告書はもちろん、

勤怠もスマホのアプリで行っています。

毎回事務所に行かなくて良いので助かります。

 

S江さんは電車に乗っている間は大人しい方なので私は手持ち無沙汰。

なのでスマホを出して工程をメモアプリに書き留めることにしました。

 

(お借りした画像は本文とは関係ありません)

 

切符の買い方や改札窓口での事を思い出しながらスマホとにらめっこしていると

シルバーさんが声を掛けてきました。

「NAOさん、空いた時間に報告書を纏めるのはいいけど、利用者さんから1分以上目を離さないようにね。出来たら右目の端で利用者さんを見ながら左目でスマホを見るとかね。まぁ、難しい技だけどね。利用者さんの中には見つめられていると落ち着かない人もいるのでこういう時は見ないフリしながら目の端で利用者さんを捉えるとかね。こういう時には便利な技です。今みたいに並んで座っているときには利用者さんの動向がわかる程度に体をくっつけるとちょっとした動向もわかるので遠慮せずにくっついていいと思います。人って立ち上がる時には足を引いたり太ももに力が入ったりするので微妙な動きで何をしようとしているのかがわかる時があります。利用者さんが立ち上がってから対処するのと立ち上がる前兆を察知して対処するのでは雲泥の差がありますからね。それと通過駅がある場合にドアが開いた時が要注意。利用者さんがダッシュで電車を降りてしまう可能性があるからね。ドアが開いた時には乗降客にも注意。危ない人が乗って来ないか観察するのも観察眼を養う事に繋がるよ。」

と教えてくれました。でも危ない人の見分け方なんてわかりません。

「人を見分けるって…どうするんですか?」と聞くとシルバーさんは

「我々は警察官ではないので大まかだけど…スーツでネクタイの人は仕事だから危険はないとか、手を繋いで親し気な2人はカップルかなとか。ベビーカーを押しているのは家族だから大丈夫とか。そうして注視すべき因子を排除していく。逆にスマホを見るでもなくイヤホンで音楽を聴いて居るでもなく、単身でキョロキョロしている人はちょっと怖いかな。そうこうしいていると観察眼が養われ、座っていても眠くならないというおまけ付きって訳なんだよね。」と教えてくれました。

 

確かに座っていると俄かに眠気が…。

ってか、ただ電車に乗っているだけかと思ったら違ったんですね。

ガイドヘルパーって仕事を甘く考えていた事反省しきりです。

 

(この物語はフィクションです。登場する個人名、団体名は架空のものです)

 

 

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