眠りの博士

眠りの博士

皆さん、気持よく眠りましょう。

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愛媛県伊予郡松前町筒井には義農神社という社がある。

祭神は義農作兵衛命、明治14年創建というから神社としては新しいお社である。

近世の凶荒史上で特に被害が大きかった享保の飢饅のとき、この村でも異常な凶作で年貢の負担どころか、食べ物がすっかり無くなり松山藩内で餓死する人は5000人と伝わる。

祭神の作兵衛は、筒井村の貧農に生れたが近郷でも働き者と知られた農夫で、家運を立て直して篤農家といわれるほどになっていた。

ところが享保17年の大凶作、一心に働いたものの収穫はなく、山野の雑草で飢えをしのいできたが、残るは来年に作付するための麦の種一袋だけとなった。

近所の人々は大切な種すら食べてしまった。

しかし作兵衛さん、これだけはどんなことがあっても決して手をつけないと決心、枕にして大事にすることにした。

現代の私たちはアフリカなど外国での飢饒はニュースで知らされているものの、遠い昔の話だと思いがちだが、どうしてどうして、異常気候や戦争や経済封鎖などでいつでも大飢饅が生じても不思議でない現状にあるのだ。

しかも現代は贅沢に馴れていて粥腹かかえて我慢するなんてできないし、お金さえあれば何とかなるさという甘い考えが支配しているから、本当の飢饒になればパニック状態になるだろう。