静けさの中の煌めきがメシアンやラヴェルのそれを思わせる一方、暗雲の如き不協和音が水墨画のような張りつめた緊張感を醸し出しています。

 

《未来のためのピアノ曲集》(全5曲)の第3曲「真夏の夢」。

 

 

「邦人作曲家といえば武満」である日本から出た4年間は、フランスでの現代音楽の土壌の大きさに驚いてました。

私がパリで学んだ現代音楽は、武満ではなく「Akio Yashiro」に始まりました。「Yashiro」の削ぎ落すような精神性とストイックな音楽性、モノクロームという一周回った色彩感は、フランス人を興奮させていました。

 

「真夏の夢」は、それに通ずる世界観を覚え、音色と「間」にこだわって演奏しました。

 

タイトルはシェイクスピアへのリスペクトと聞きました。

 

メンデルスゾーンやドビュッシーも題材とした《真夏の夜の夢》。

個人的には、劇中の「狂人、恋人、そして詩人は想像力でできている」という言葉に、表現者としての好奇心を掻き立てられます。

 

さて、第4曲「ユーモレスク」は明日(9/29)の23:45にプレミア公開です。

 

 

カラーはマゼンタ。

また全然違ったキャラクターをもった、かっこいい曲です。ぜひぜひお聴きいただけましたら嬉しいです。