2月14日から公開の映画 "Le Molière Imaginaire"。

近所の映画館 Pathé では扱っていないので、スタリングラード界隈の MK2へ。


MK2 Quai de Seine 

14 Quai de la Seine

75019 Paris


Pathé に比べ断然安価!年齢割引 + 職探し割引もある!
入ったのは、6番室。横12席で5列の60人キャパ。当然、スクリーンも小さめ。前回の様にナポレオンを観るなら断然 Imax (パノラマ) のある Pathé だが、 一般映画ならばMK2で十分である。

この映画モリエール、実は観ようかどうか事前に躊躇した。宣伝を観て、彼の生涯を描いた作品ではないと分かったから。では彼の何時に注目を当てたのか? !

この映画はモリエール人生終盤の脚本 "Le malade imaginaire" = 病は気から、上演前から終演までの彼と彼を取り巻く劇団員、観客達を語っている。タイトルのイマジネール曰く想像で。(終演後、彼は息絶える。)

自分は初耳だが、彼はフレデリック マーキュリーの様に、男女共をパートナーとして愛せる人物であったのかもしれない。女優の妻が居るにも関わらず、孤児出身の美しい男性劇団員との恋、だが、上流階級に憧れるこの劇団員には不特定のパートナーが。モリエールは "知ってるよ。" と、悲しむでもなく他の女優複数と同時進行で親密な仲に... 映画の出だしは、理解に苦しむ。

そして、彼はとてもアーティスト。家政婦?がカールを付けたカツラを持ってきて、"見て!この仕上がり!物凄く時間がかかったわ。コテでちょっぴり火傷もしちゃったわ。" と得意そうにモリエールに見せにくる。

モリエール : "何の紙を使ってカールを付けたの?"
家政婦 : "え?貴方の家にあった古い紙で!"
モリエール : "それには何が書いてあったんだ?"
家政婦 : "私、字は読めないから分からない。"
モリエール : "!"

実はこの家政婦、モリエールが5年もかけて翻訳していたページの一部を使い、切り刻んでいた。年配女性であるにも関わらず、モリエールは彼女に対しまるで子供の様にキレまくる。家政婦が "所詮、紙に書いた言葉じゃないのよ!" と吐き捨てた後、思考にふけるモリエール。このシーンは面白い!

カメラアングルが、劇中、舞台裏、観客席と随時変化するのだが、舞台裏で "舞台は本当で嘘。人生も本当だけど嘘。" と言った言い回しが何度も出てくる。とても考えさせられた。

モリエールの舞台で使うフランス語は、やはり古典的?で上品な言い回しが多い。美しいフランス語、とでも言おうか。だから、聞いていてクスッとくる場合もあれば、外人の自分には何だか分からない表現も多々ある。丁度、後部席に高齢夫婦がいらっしゃったのだが、ゲラゲラ笑っていらっしゃったので、知的人には分かる笑いであるんだろう。

橋の上からスタリングラード方面へのショット。
右端に見えるのはエッフェル塔の頭。
振り返り、クリメ方面へのショット。まるで別次元の様だが、同時間。
こちらは科学産業博物館前。微妙な黄色い何かが新しく出来ていた。
何これ?蓮の花?
前回12:00pmに行って、閉まっていたエジプト料理レストランへ再挑戦。現在、18:00pmで営業中!メトロ7番 Censier Daubenton 界隈。

Le Café Égyptien 
114 Rue Mouffetard Entrée, Rue de l'Arbalète, 75005 Paris
シシャ (Chicha) が楽しめる店でもある。
店主である、モハメッドさんと言うおじさんが案内してくれる。店内は、シシャの甘い香りと煙で充満しており「煙のない、奥へどうぞ!」と隠し部屋の様なサロンに。元々はドアが付いていた跡があるので、本来はここがシシャ専用の部屋だったかと思う。
換気扇らしきものが2つと、エアコン + TVもある。壁半分にはエキゾティックな布がかけられており、赤い布で覆われたランプは、明る過ぎず暗過ぎず、なかなか良い雰囲気。

モハメッド氏によると、営業時間は13:00pm~2:00amのノンストップ。以前は12:00pm~だったが、客足が遅いので13:00pmに変更したそう。



Menu Égyptien 1プレート12€。奥は濃厚なマンゴージュース5€。手前はハイビスカスのお茶、Karkadet5€。ほろ甘くて美味しい!付け合わせのパンは大きくて焼きたて。モハメッド氏が、後でまた追加してくれた!

ソースは奥からナス (Caviar d'aubergine = 焼きナスのピューレ)、ナス + パプリカ (1番美味)、クリームソース (マヨネーズに似ていた)。大きな牛肉のKoftaが4つに、中央はグリンピースとニンジンのチャーハンもどき。そして、野菜サラダも勿論新鮮!見た目、量が足りなさそうだと思ったが十分であった。
お会計はディナーにも関わらず、2人で34€。(ランチ時と同値段)。安価で美味しい店はパリで本当に珍しい!因みに店内では、TVでのサッカー観戦が定期的にある模様。