健康保険の被扶養者手続きはありふれているものではありますが、
少しずつ変化しています。
2020年4月より被扶養者の要件に、
国内居住であることが追加されます。
施行前に健康保険の扶養手続きについておさらいしましょう。
被扶養者の要件
(被扶養者の範囲)
1.被保険者と同居している必要がない者
・配偶者
・子、孫および兄弟姉妹
・父母、祖父母等の直系尊属
2.被保険者と同居していることが必要な者
・上記1.以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者等)
・内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)
(収入要件)
原則、年間収入が130万円未満
(60.歳以上である場合または障害厚生年金を
受けられる程度の障害を有する者である場合は、
年間収入が180万円未満)かつ
同居の場合は、収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満
別居の場合 収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満 なお、
年間収入には公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金、
雇用保険の各種給付金、給与については非課税通勤費が含まれます。
直近の変更点
「少しずつ変化しています」とお伝えしましたが、直近では・・・
・ 平成28年10月より、兄姉の同居要件が廃止
・ 平成30年10月より、日本国内に居住している家族を被扶養者にする際は、
証明書類にて身分関係及び生計維持関係の確認が必要に。
(ただし、届書にマイナンバーを記載すれば、身分関係確認のための添付書類が不要)
・ 令和元年5月より、被保険者本人の署名(または押印)について、
事業主が被保険者本人の届出の意思を確認し、
届書の備考欄に、「届出意思確認済み」と記載した場合は、
被保険者本人の署名または押印を省略することが可能に。
現在の海外移住家族の取扱いについて
現在は、以下の書類を日本年金機構(または健康保険組合)に提出し、
認定を受けることとなっています。
1) 現況申立書
2) 身分関係が確認できる公的書類
3) 生計維持関係の確認できる公的書類、被保険者と別居の場合は仕送り額が確認できる書類
2)と3)については、外国語で作成されている場合は、翻訳者の署名がされた日本語の翻訳文も必要となります。
2020年4月以降は国内住居が要件に!!
2020年4月以降は、前項の書類を整えても扶養家族と認定されることがなくなります。
しかし以下に該当する海外居住家族は例外となります。
① 外国において留学をする学生
② 外国に赴任する被保険者に同行する者
③ 観光、保養又はボランティア活動その他就労以外の目的で一時的に海外に渡航する者
④ 被保険者が外国に赴任している間に当該被保険者との身分関係が生じた者
⑤ ①から④までに掲げるもののほか、渡航目的その他の事情を考慮して日本国内に生活の基礎があると認められる者
海外に居住し、例外にも当てはまらない扶養家族は、
被扶養者異動届にて取消手続きを行うこととなりそうです。
具体的な取り扱いについてまだアナウンスされていませんが、
注意深く動向を見守りましょう。