飛び出してからは、いつも通りの学校の方角へと歩いて行った。
学校へは10分ほどでつける。
どうやらこれも日課に入るようだ。
さきほど、母親に無い人とされたことは気にしないことにした。
何も考えず歩くと、いつの間にか学校の前まで来た。
ここに着くまで何人かの人とすれ違ったが、顔はしっている人がいなかったので、何もせず着いた。
「早かった...かな...。」
まだ校門の前には人がわずかしかいなかった。やることもさほどないので、このまま学校へ入ることにした。
しかしもう起きてから15分近く経つ。依然として記憶はまだわずかな情報しかない。
考えると、何か怖くなるような気がしたので、俺は脳の思考を中断するようにうわの空を演じて行動した。
*****
いつの間にか自分の席に座っていた。
ここに来るまで対したことはなかった。
いつもならば先生と会ったら軽い会釈ぐらい交わすだろう。しかし向こうがどういう反応をするか今回に限っては怖かった。
家にいた時のあの母親の自分の扱い方、まるで俺が視線に入っていないような...
これだけではない。ここに来るまで1年前同じクラスで結構仲良かった友達ともあった。
普段ならそいつは俺にあったら必ず、挨拶をかけてくるだろう。
だがこれも同様に、母親のときみたいにまるで見えていなかったのように俺が横切っても何の反応も示さなかった。
「くそ...考えないようにしてたのに...。」
また取り乱した。
でもこれは考えなければいけないのかもしれない。
さきほど起きた数々の不可解な出来事を全て、気のせいや何かの見間違いだと思い込もうとした。
しかし、現実的に見るとそれはあまりにも可笑しい。
自分の体だって依然として病人みたいな貧弱な体をしている。
俺はようやく、今の状況と向き合うことに決意した。
今まで起こったことを整理して、仲の良い友達の反応、母親の料理の人数分、それを見るに
俺は本当に周りの人から視界に入っていないのかもしれない。
つまり、俺は幽霊みたいになっているのか....。 いや待て、焦るな。
もう少し整理しよう。
幽霊だとしたら学校にこんな歩いて行けるわけがないし、いやでもそれは生きている人間からみた幽霊の想像図だ。実際に幽霊にならなければわかるはずがない。
気がつくと教室はいつの間にか人とという人で埋め尽くされた。
俺一人だけ孤立していた。
それで誰も俺の座っている方向に視線を向けない。まるで俺から遠ざけているかのように、人が隅の方で話すのが聞こえてくる。
自分という存在が消えているような気がした。
俺は本能のまま席から立ち、何故こうなっているのか真偽を確かめようとしたが...
急に体が重くなった。
床に蹲る。周りの奴は平気だ。
俺がこの地球上で存在してはいけないから宇宙様が俺だけに何百倍もの重力をかけたのか...?
周りの奴は普通に喋ってやがる。
俺はどんどんこの世界から見放されるような感覚に囚われた。
体が重い。苦しい。脳が破裂しそうだ。巨人が俺を踏み潰している。
ここは地獄だ。
俺はそのまま意識を失った。