こんばんは。藤村です。
ブログのアップ、間があいてしまい申し訳ありません。
いろいろ締め切りがあり、時計をみながらひやひやの2週間だったもので....と言い訳をひとこと。
それでは早速、前回のクイズの答えです。私がその意味を知ったときの会話を再現します。
A2
10年前の藤村:あのー、これって通じますか。
「李下不正冠」と走り書きしたメモを見せる
語順を間違えてはいけないと、漢和辞典も引いた
中国人の先生:え?何ですか。見たこと、ありません。
「李下不正冠」の衝撃的な事実
答えは、「わからない」「知らない」です。
「そ、そ、そ、そ、そんな~(ノ゚ο゚)ノ 日本は中国から故事成語をせっせと輸入し、戒めとしてきたのに、本家本元では忘れられているなんて(+_+)というのがモロに表情に出てしまったのでしょうか、私が確かめた若手の先生がその部署のいろいろな人に知っているかどうか、聞いてくれました。その結果その部署で唯一知っていたのは、定年間近の事務長だけでした。「知らない」と答えた中国人の先生は、中国教育部(日本の文科省に当たる)のお墨付きの大学、重点大学の先生です。その先生方でもご存じないのですから…。いつから教えなくなってしまったんでしょうねえ。
「李下不正冠」を使いたかった場面
昨年は日本でもセンター試験での不正行為が大いに話題になりましたが、中国は科挙の伝統があり、試験については日本の比ではありません。高校生のころ、宮崎市定著『科挙―中国の試験地獄』の中にあった、いわゆるシケタイにいたく感心した覚えがあるのですが、日本語教育では、「~てはいけません」という文型を教えるとき、「となりの人の試験を見てはいけません」という場面をよく入れます。私は『新日本語の基礎』という日本語教科書についている絵を引き延ばして教室で使っております。
マ、試験前には冗談めかして、注意もできますが、試験中にそれに類した行為を目にすると、学生の尊厳を傷つけないよう、どう注意したものか、教師の方がドキドキしてしまいます。どうも怪しい学生がいるので、「李下不正冠」を使って諭そうと、中国人の先生に通じるかどうか、休憩時間に確かめたのが上記の会話です。で、私の目論見はもろくも崩れ去ったというワケであります。
渋滞と入試
韓国の大学入試の様子が日本のテレビ番組でも放送されますが、中国もかなり過熱しています。通勤時、いつもは渋滞しているのに、きょうはえらいスイスイ車が進むと思っていたら、入試があるので不要不急の車は控えるようにという政府のお達しが出ていて、それですいていると言われました。中国の学校は通常昼休みが2時間あるのですが、入試のときも昼休みはたっぷりあるようで、その間、受験生は試験会場の外に出ることも許されるらしく、親は近隣のホテルをとって、子供をホテルの部屋で休ませるんだそうです。
10年前はこれとは逆で、その当時は、中国を代表する高級車「紅旗」の製造工場がある都市ですら、渋滞とは無縁でした。それなのに、夏のある日、買い物の帰りにバスに乗ったところ、渋滞にはまり、事故でもあったのかと思ったら、その町一番の進学校の前に受験生の親が陣取り、道路をふさいで渋滞になっていたのです。
達筆
中国の学生から作文を受け取ると、ほれぼれする達筆に幾度となくお目にかかれます。さすが、文字の歴史は日本とは違うワと感心していたのですが、これにも受験が影響しているとのことです。中国の高校入試には「作文」という科目があります。その答案をとにかく読んでもらうためには、字がきれいでなければならないとのことで、子供には字をきれいに書くよう、厳しく指導すると、「李下不正冠」についていろいろ聞いて回ってくれた中国人の先生が教えてくださいました。
さて、本日は、6月の終業式のシーズンを迎えると、日本風にいうと、「祝○○君、XX大学合格!」という幟に埋め尽くされた中国の高校の写真で締めくくろうと思います。塾ではなく、公立学校に堂々と飾られています。幟だけではなく、正門に、優秀者の名前を列挙したりと、日本ではなかなかお目にかかれない、学校の風景があります。
写真の下にクイズがあります。
Q3:中国を代表する高級車「紅旗」を製造していた中国の東北部の都市で入手できないものは次のどれか。
バナナ、ドリアン、オレンジ、あんまん、パック入り生乳、チーズ、ドリップ式コーヒー
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