-死合わせ-
「っ……!」
右へ、左へ、超高速で次々に迫ってくる斬撃を出来るだけ最小限の動きでそれを交わし、隙をみてこちらも斬撃を加える
しかし、こちらの攻撃はナイフであっさりと弾かれてしまう
日本刀とナイフではだいぶ差があると思っていたら大間違い。その道を極めた者にはどんな強力な武器も無意味だ
――陽紡日向
桁違いのナイフの動き、速度――全てが超越している
あたしが剣技を極めた者なら、彼女――陽紡日向は暗殺を極めた者
決められた獲物は死ぬまで逃さない。それが彼女だろう
「《陽炎流》北の型《舞姫》!!」
舞うような動きで刀を振るい、日向に連撃を加える。流れるような動きで打ち込むが日向は全て交わしてくる
「……舞姫の弱点――克服したんですか。こんな短時間で、しかも何もしていないのによくもまぁ……いや――違うか」
ガキィィィンと、舞姫の最後の一撃を弾くと、日向はあたしと距離をとった
「その身体から溢れ出ている紫色のオーラ……それ――《陽炎流》の《禊》ですか?私が知っているのとだいぶ違いますけど」
「へぇ――《陽炎流》について良く知っているみたいだね。そう、これは確かに《禊》だ。今はちょっと、暴走しているみたいだけどね」
ふふ――と、笑うと、あたしから溢れ出ているオーラがよりいっそう濃くなったような気がした
まるで――あたしの感情と同調しているかのように
「いくよ、日向。止めてみな」
刀を鞘に収め、居合いの構えをとる
「……《絶影》ですか。その技は私には効きませんよ」
こちらを睨み付けながらナイフを構える日向にあたしは細く微笑む
「あたしを甘くみちゃいけないよ」
そんなあたしを見た日向は一瞬だけ顔を歪ませた
「《陽炎流》絶の型《終焉》!!」
ダァン――と、地面が弾け音速を超えたスピードの一閃が五つ煌めく
《終焉》は居合いのスピード、威力を利用し瞬間的に五回斬りつける《陽炎流》の裏剣技
圧倒的なスピードを前に人々は倒れていくしかない
「――裏剣技……まさかそっちまで習得しているとは思いませんでしたよ。巫家最強の名は伊達じゃないみたいですね、先輩」
しかし、彼女は違った
《終焉》を喰らって立つことが出来る人間――やはり日向は化け物だ
「――残っていたんですね、裏剣技が使える人間。正直驚きました」
ツー、と日向の頬から一筋の血が流れる
「少しは――効いたみたいだね」
日向は無言のまま、頬を拭い、血のついた手のひらを眺める
「……あは」
「……」
「あはははははっ!!」
突然狂ったように笑い出す日向
底知れない恐ろしさがそこにはあった
血のついた手で顔を隠しながら日向は笑い続ける
「いいですよ……!先輩!ようやく面白くなってきましたよ……!」
日向の反対の手がぶれるその瞬間あたしは刀を振り下ろした。キンと音がして、日向が投擲したナイフが地面に突き刺さる
「はぁ!!」
続けざまに振り上げられたナイフ
それをなるべく小さな動きでかわし、刀を前に突き出すように構える
「《陽炎流》奥の型……」
突き出した刀に紅く――燃えるように紅い光が纏い始める
裁きの紅い光
罪と罰の紅い光
「《断罪》」
その光を日向に直撃させた
刹那、ズガァァァンという轟音と共に地面が抉れ、辺りが吹き飛ぶ
粉塵が舞い、視界が悪くなる
刀を横に薙ぎ、舞い上がった砂を吹き飛ばした
「……化け物か」
目の前には全身血だらけになりながらも立ち続ける日向の姿があった
「はぁ…はぁ……」
荒い息を整えながら、日向はナイフを構え続ける
細い腕からは血が滴り落ちる
「まだ――終わりませんよ、先輩……」
地面を蹴り、こちらに飛び込んでくる日向
しかし、スピードと鋭さは先ほどとは段違いに弱々しかった
「ああぁっ……!」
切り飛ばした腕が無様に地面に転がり、ドバドバと血が噴き出す
日向は地面に膝をつき、切り口を抑える
「これで……終わりだ、日向」
Chapter 28 End
「っ……!」
右へ、左へ、超高速で次々に迫ってくる斬撃を出来るだけ最小限の動きでそれを交わし、隙をみてこちらも斬撃を加える
しかし、こちらの攻撃はナイフであっさりと弾かれてしまう
日本刀とナイフではだいぶ差があると思っていたら大間違い。その道を極めた者にはどんな強力な武器も無意味だ
――陽紡日向
桁違いのナイフの動き、速度――全てが超越している
あたしが剣技を極めた者なら、彼女――陽紡日向は暗殺を極めた者
決められた獲物は死ぬまで逃さない。それが彼女だろう
「《陽炎流》北の型《舞姫》!!」
舞うような動きで刀を振るい、日向に連撃を加える。流れるような動きで打ち込むが日向は全て交わしてくる
「……舞姫の弱点――克服したんですか。こんな短時間で、しかも何もしていないのによくもまぁ……いや――違うか」
ガキィィィンと、舞姫の最後の一撃を弾くと、日向はあたしと距離をとった
「その身体から溢れ出ている紫色のオーラ……それ――《陽炎流》の《禊》ですか?私が知っているのとだいぶ違いますけど」
「へぇ――《陽炎流》について良く知っているみたいだね。そう、これは確かに《禊》だ。今はちょっと、暴走しているみたいだけどね」
ふふ――と、笑うと、あたしから溢れ出ているオーラがよりいっそう濃くなったような気がした
まるで――あたしの感情と同調しているかのように
「いくよ、日向。止めてみな」
刀を鞘に収め、居合いの構えをとる
「……《絶影》ですか。その技は私には効きませんよ」
こちらを睨み付けながらナイフを構える日向にあたしは細く微笑む
「あたしを甘くみちゃいけないよ」
そんなあたしを見た日向は一瞬だけ顔を歪ませた
「《陽炎流》絶の型《終焉》!!」
ダァン――と、地面が弾け音速を超えたスピードの一閃が五つ煌めく
《終焉》は居合いのスピード、威力を利用し瞬間的に五回斬りつける《陽炎流》の裏剣技
圧倒的なスピードを前に人々は倒れていくしかない
「――裏剣技……まさかそっちまで習得しているとは思いませんでしたよ。巫家最強の名は伊達じゃないみたいですね、先輩」
しかし、彼女は違った
《終焉》を喰らって立つことが出来る人間――やはり日向は化け物だ
「――残っていたんですね、裏剣技が使える人間。正直驚きました」
ツー、と日向の頬から一筋の血が流れる
「少しは――効いたみたいだね」
日向は無言のまま、頬を拭い、血のついた手のひらを眺める
「……あは」
「……」
「あはははははっ!!」
突然狂ったように笑い出す日向
底知れない恐ろしさがそこにはあった
血のついた手で顔を隠しながら日向は笑い続ける
「いいですよ……!先輩!ようやく面白くなってきましたよ……!」
日向の反対の手がぶれるその瞬間あたしは刀を振り下ろした。キンと音がして、日向が投擲したナイフが地面に突き刺さる
「はぁ!!」
続けざまに振り上げられたナイフ
それをなるべく小さな動きでかわし、刀を前に突き出すように構える
「《陽炎流》奥の型……」
突き出した刀に紅く――燃えるように紅い光が纏い始める
裁きの紅い光
罪と罰の紅い光
「《断罪》」
その光を日向に直撃させた
刹那、ズガァァァンという轟音と共に地面が抉れ、辺りが吹き飛ぶ
粉塵が舞い、視界が悪くなる
刀を横に薙ぎ、舞い上がった砂を吹き飛ばした
「……化け物か」
目の前には全身血だらけになりながらも立ち続ける日向の姿があった
「はぁ…はぁ……」
荒い息を整えながら、日向はナイフを構え続ける
細い腕からは血が滴り落ちる
「まだ――終わりませんよ、先輩……」
地面を蹴り、こちらに飛び込んでくる日向
しかし、スピードと鋭さは先ほどとは段違いに弱々しかった
「ああぁっ……!」
切り飛ばした腕が無様に地面に転がり、ドバドバと血が噴き出す
日向は地面に膝をつき、切り口を抑える
「これで……終わりだ、日向」
Chapter 28 End