本記事では、以下の内容について解説しています。
ぜひ、最後までおつきあいください!
「再発しないための過ごし方」4つのポイント
① 疾病理解
② 休職要因分析
③ 再発予防策
④ フォローアップ体制の構築
前回の記事では、メンタルヘルス不調によって休職すると、他の疾患よりも再休職率や退職率が高いということを解説しました。今回は、復職や再就職をした際、再発せずに働くために、休職や離職期間中に取り組んでおく必要があることについて解説していきます。
再発予防に不可欠な4つの取り組み
①疾病理解
たとえば同じ「うつ病」という診断名であっても、症状のあらわれ方は人それぞれに異なりますし、症状が続く期間や重症度もさまざまです。
「数週間も気持ちがふさぎ込んでしまい、食事はほとんど摂れず、一睡もできない日が頻繁にみられる」という人もいれば、「落ち込むことはないが何もやる気になれず、お腹が空いているわけでもないのに間食ばかりで過食してしまう」という人もいます。それでも同じ「うつ病」と診断されていることは珍しくありません。
あらわれている症状が違うということは、その症状に対するケアの仕方も人それぞれということです。ですから、自分の病気の特徴をしっかりと理解することは、回復に向けてもっとも基本的な取り組みといえます。
また、病気を理解できていると、不調があらわれやすい状況になったときに、自分にあらわれている「不調のサイン」をキャッチすることができるようになります。自分にとっての「不調のサイン」を知っておくことで、症状が深刻になる前に対処することが可能になりますから、再発予防のためにはとても重要です。
②休職要因分析
なぜメンタルヘルス不調をきたし、休職や退職することになったのか、その経緯をていねいに振り返り、その要因をしっかりと分析することが大切です。
一般的に「過度なストレス」がメンタルヘルス不調を引き起こすといわれますが、「何をストレスと感じるか(ストレス要因)」は一人ひとり違います。仕事の量や質、それに取り組む体制や人間関係は重要なストレス要因になるでしょうし、職業場面ばかりではなく、私生活の状況が強く影響することも少なくありません。
どのような仕事、どのような人間関係、どのような生活が自分にとってストレス要因となったのかを分析して理解を深めることは、復職や再就職後の再発予防の基礎となり、安定就労へとつながっていきます。
③再発予防策の検討
疾病理解や休職要因分析というのは、自分の状態を観察し、自分の内面を知るための作業ですから、つまりは自己分析をしているということです。これにしっかりと取り組むことで、自己理解を踏まえた再発予防策の検討ができるようになります。
メンタルヘルス不調から復職や再就職した後の再発予防策として、「困ったらすぐに相談する」、「仕事を抱えすぎないようにセーブする」、「いやなことは断る」などがよく挙げられます。しかし、これだけでは再発予防策としては不十分です。
自分はどのようなときに困るのか、どのような不調のサインがあると困るのか、それらを誰に、いつ相談するのか、どのように伝えるのかなど、自分が「相談する」状況をできるだけ具体的に検討することが必要です。
④フォローアップ体制の構築
メンタルヘルス不調からの回復は、直線的に進むわけではありません。復職や再就職をしたとしても、そのしばらく先には必ず「不調の波」がやってくるという心構えをもつことが大切です。
再発予防策をしっかりと検討していたとしても、不調の波の最中にあるときには、やはり焦りや不安が強くなり、自信をもって行動できないことがしばしばあります。そのような時に一人で抱えずにすむよう、サポートを得られるようなフォローアップ体制を作っておくことが助けになります。
家族や信頼できる同僚や上司も日常的なサポートはしてくれるでしょう。しかし、病状やその経過も含めてのケアを考えると、やはり専門の支援スタッフにサポートを得られる方がより安心できるでしょう。
そのため、休職の早い段階から、専門の支援スタッフとともに「再発しないための過ごし方」に取り組み始めることがおすすめです。
すべてを一人でやることは難しい
ここまで、メンタルヘルス不調から回復し、就労しても「再発しないための過ごし方」として欠かせない取り組みについて解説してきました。
それなら自分1人でも十分に取り組めると感じられる方もおられるかもしれませんが、実際にはかなり難しいことだと思います。なるべく客観的に自分のことを理解しようとしても、1人ではどうしても視点が偏りますし、ウィークポイントなどについては考えることを避けたくなることもあるはずです。
ですから、まずは「助けを求めながら回復する」という意識をもつことから、復職や再就職に向けて取り組み始めるとよいでしょう。

