こんな場末のブログでも、僅かながら見に来てくれる人がいる。
とても有り難く思っています。
そして、ごめんなさい。
非常に長い間、更新できませんでした。

いろんな事があったんだけど、
何より、突然書けなくなった。

いろいろ考えたけど、
何故だか全く分からない。

で、まぁ、再開します。
いつまた止まるかは分からないけど。



さて、デフレ
再開初日ってことで、
ちょっと作図なんぞしてみました。

デフレのグラフ


当たり前の図で恐縮だが、
これがデフレだ。

供給が需要を上回っている。
つまり作っても物が売れない。
それでも売るために、価格が低くなっていく。

きわめて、当たり前のこのグラフから、
導き出される結論がある。

デフレの解消には、二通りの手段しかないって事だ。
一応、もうひとつ図を描いてみた。

グラフから分かること


要するに、需要と供給をバランスさせるためには、

  1 供給を減らす
  2 需要を増やす
このどちらかしか無いのだ。

とりあえず、供給が100で、需要が80だとしよう。
(この数字は全く適当)

まず、1の供給を減らす、という対策について。
今、100ある供給能力を80まで減らせば、
デフレは止まることになる(実際には止まらないが・・・)。

しかし、これは絶対にやってはいけないことだ。
なぜなら、20%分の労働者を解雇するか、給料を減らす結果となるからだ。
さらに、将来に伝えるべき技術が途絶えてしまうことすら考えられる。

そして、失業しあるいは給料が減らされた結果、
さらに需要が落ち込む結果となり、デフレが悪化する。

したがって、デフレを解消するには、2の需要を増やすしかないことになる。

さて、いきなり需要を増やすというのは当然非常に難しい。
国民的人気のあった小泉首相みたいな人が、
「痛みに耐えろ」
などと言わずに、
「ほんのちょっとで良いから贅沢しましょう」
とでも言えば、多少効果はあったかもしれないとは思うが・・・。

効果は不明だが、安倍総理、実行してくれないかなぁ。

さて、一般消費者の需要をいきなり増やす方法というのは思いつかないが、
需要が増えるまで、足りない分の需要を政府が補えばいい。
これは、きわめて、当たり前の対策だ。

そして、これが、アベノミクスで言う2本目の矢、
「財政出動」である。

つまり、国民が買わないのなら、
「政府が買い物をしましょう」
ということだ。

そして、今、日本では政府が買うべき物がたくさんあるのだ。
何よりもまず、東北における道路や建物だ。
そして、公共投資を減らし続けた結果、
全国で通れなくなった橋や道路が放置されている。
必要な橋や道路は改修しなければならない。

こんなことを言うと、「また土建屋が儲かるだけ」
という声が聞こえてきそうだが、
土建屋の儲けなど高が知れている。

1億円の事業を請け負った業者は1億円儲けると勘違いしている人が多い気がする。
業者の手元に残る額などきわめて小さい。
そのほとんどは人件費や原材料費として支払われるのだ。

つまり、多くの労働者の所得となり、
周辺業者・企業に仕事を与えることになるのだ。

その周辺業者にしても、もちろん手元に残る額は非常に小さいだろう。
が、それで良いのだ。

土建屋が事業を請け負って、手にした1億円。
非常に多くの人に少しずつ行き渡るのだ。

一般に公共事業の裾野は非常に広く、
非常に多くの周辺企業に影響が及ぶ。

円安で潤った企業や、公共工事で潤った土建屋、
そしてその周辺企業、さらにその周辺企業・・・。
こうして、少しずつみんなが潤っていき、
国民の平均所得が上がったとき、
需要が回復する。

日本全体の需要が回復するまで、
足りない需要は政府が補えば良い。

それだけの事。
当たり前の事。

さて、ついでに1本目の矢、金融緩和について述べておく。

金融緩和、これはお金を借りやすくすると言う事だ。
お金が借りやすいから、「買い物をしてね」
という事なのだが、
今の日本では借金をしてまで買い物をしようと思う個人も企業も非常に少ない。

だから、金融緩和だけでは不十分であり、
2本目の矢、財政出動が必要となるのだ。
仕事があるなら、「投資しようか」という気になるからだ。

さらに、ついでに、3本目の矢、成長戦略。
成長を促す、この事自体は大いに結構なのだが、
この成長戦略を練っている連中の中で、企業家が幅を利かせすぎている。
何を議論しているかというと、
自社の利益を増やすようなことばかり言っている。

例えば、法人税減税
減税すれば、その分だけ企業が潤って、
先に述べた公共事業と同じ効果があるのではないか、と普通は考えるかもしれない。

しかし、残念なことに、今の日本で法人税を払っている企業は、3割でしかない。
残りの7割の企業は、赤字、もしくは収益なしで運営されている。
法人税は利益に対して課税されるため、
当然7割の企業は事実上法人税を払っていない。
したがって、減税は何の影響もない。

つまり、法人税減税は、
現在収益を上げている企業の収益をさらに伸ばす事は出来ても、
ぎりぎりの状態で頑張っている企業を助ける事は出来ないのだ。

そして、規制緩和
規制緩和という言葉は、それ自体がポジティブな語感を持つ。
規制が緩やかになるという事は、より自由になると言う事だからだ。

が、それは罠だ

この世には実に様々な規制があるが、
実は、そのほとんどは、消費者を、あるいは国民の生活を守るために存在する。
企業が好き勝手なことをやって、国民に迷惑をかけないために存在する。

そう、その規制が緩められれば、企業は大喜びだが、
緩められたその分だけ、消費者・国民は自分で自分の身を守らなければならなくなる。

もちろん、時代にそぐわなくなった規制なども多くあると思う。
全ての規制緩和が悪いということではない。

が、そもそもこの規制緩和、インフレ対策なのだ。
インフレ対策とは、インフレを抑える対策だが、
デフレの今実施すれば、デフレを推進する。

規制が緩和されれば、企業は物を作りやすく、物を売りやすくなる。
今100である供給を110あるいは120に増やす事になり、

デフレが悪化する可能性が非常に高い。

投資減税
これは、考え方としてはエコカー減税を思い出していただければ理解しやすいと思う。
つまり、何か買い物(投資)をすれば、税金を少し負けますよ、という事だ。
うまく行けば景気回復に大変な効果がある事は実証済みだ。

エコカーの場合、主に個人が対象で、
今回の投資減税は主に企業が対象であると考えられるが。

念のために、述べておく。
エコカー減税で潤ったのは、自動車メーカーだけではない。
その周辺、さらにその周辺と、
非常に多くの企業が、非常に多くの人が潤ったのだ。

自動車メーカーの裾野はこれまた非常に大きいのだ。

構造改革
これは漠然としすぎていて、論評が難しいが、
基本的には、効率化のための改革である。

効率化、民間であれば効率を上げる事は多くの場合、正義である。
が、効率化とは人員削減と表裏一体である。

そして、政府において、効率化が正義とは限らない。
効率が悪くても、警察や自衛隊を民営化したりしてはならない。
郵政に関しては賛否両論あるだろうが、
完全に民営化すれば、
全国一律50円ではがきを、80円で手紙を郵送する事は保証されない。
郵政民営化を必ずしも否定はしないが、
政府のやることに常に効率を求めるのは間違いである。
仮に赤字であろうと、それは国民がサービスを享受した結果なのだ。
何の問題もない。

国民は税金を払い、その分、政府からサービスを受ける権利を有する。
政府は税金を集め、その全てを国民に対するサービスのために消費する。

政府は企業とは違う。
収益を上げる必要などないのだ。

成長戦略として最後に、「解雇の自由化」なるものについて述べる。

解雇を自由化すれば、雇用の際に必要以上に慎重になることがなくなり、
雇いやすくなる、という理屈だ。

バカ理論である事は誰にでも分かると思う。
まさに風が吹けば桶屋が儲かる理論だが、
全く正統性が無いわけでもない。

だが、どちらにしても、今はデフレなのだ。
企業は物を作っても売れ残ってしまう時代なのだ。

解雇が自由化されれば、
それは、人員削減に、リストラに正当な理由を与えるだけの物でしかない。

成長戦略を議論している連中がどういう立場の連中であるか、
これだけでも良くわかる、と筆者は考えるのだが、いかがだろうか。

さて、現在取り沙汰されている成長戦略に対して、考察してみたが、
悪く言った物も、常に悪いわけではない事は理解していただきたい。

デフレのときにやるべきこととインフレのときにやるべき事は、全く違うのだ。

仮に国民の多くの支持を集めるような政策であっても、
我慢しなければならない。

インフレ時に実施して正しい政策は、
デフレ時に実施してはならない。

それだけの事。




デフレ対策として、足りない需要を政府が補うと述べたが、
「そんな金がどこにある」あるいは、
「また借金か」
といった批判があるかと思う。

これに関しては、次回。