【ショー部門】
5位が2作品あります。
(順不同)
第5位
星組宝塚大劇場/東京宝塚劇場
梅田芸術劇場メインホール/日本青年館ホール
台湾公演
「Killer Rouge」 5票
歌詞は「キラッキラッキラ」だけれど中身は「ギラッギラッギラ」な星組らしいショーが5位に。
大劇場から台湾公演まで約半年間、進化し続けた点も評価されました。
齋藤先生の変態性への1票も・・・分かります(笑)。
スピーディな展開、コミカルな場面を入れた緩急(賛否あるものの星組らしいことは間違いないと思います)、終盤の西城秀樹オンパレードなど齋藤先生らしい数々の演出によって、紅ゆずる×綺咲愛里×礼真琴のトライアングルを中心に星組は効果的に「ギラめき」ました。
この作品がきっかけでファンになった方もいらっしゃるとのこと、素敵な出会いに「おめでとうございます!」と言いたいです。
キラキラなショー、折り目正しく礼儀正しいショーも素敵ですが、星組には星組にしかできない「ギラギラ感」があります。
終演後、しんどくなるくらい濃いショー。
疲れるのに、なぜか何度も観劇、鑑賞したくなるショー。
濃さの奥に愛と夢がぎっしり詰まっているショー。
紅ゆずるの星組はこれからもずっとそんなショーに出会い、元気一杯に上演して欲しいです。
【参考】
星組東京公演「Killer Rouge(キラー ルージュ)」公演レポート その1
星組東京公演「Killer Rouge(キラー ルージュ)」公演レポート その2
第5位
雪組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「Gato Bonito!!」〜ガート・ボニート、美しい猫のような男 5票
星組「Killer Rouge」とはまた異なる熱狂、褐色のラテンショー。
花組の「CONGA!!」を彷彿とさせる世界観に酔いしれ、狂ったという得票が多かったです。
望海風斗にとっては一番の挑戦となったガート・ボニートさん=ガトえもんのアドリブも相当頑張ったと思います。
いつかスカステで全部放送して欲しいです。
毎回楽しませていただきました。
もちろん望海風斗はアドリブだけでなく、歌と特にダンスで作品世界を濃く熱く(暑く)創りました。
中でもクンバンチェロは近年では安蘭けい、蘭寿とむに続く歴史的な熱演。
理屈ではなし得ない、語ることのできない伝統芸を自らのスタイルで体現したことは非常に大きいと思います。
さらに度肝を抜かれたのは真彩希帆の灼熱のパフォーマンス。
花〜星で育ち、培った魂がソロ、デュエットで炸裂しました。
期待や予想はしていても、それをはるかに上回る強烈なウィンク、投げキッス等の小技・・・いや大技に魂を撃ち抜かれた方は多かったのではないでしょうか。
そんな2人の「コパカバーナ」は宝塚の歴史に残る名場面として刻まれることは間違いないでしょう。
馴れ合いの調和ではなく、激突しながら高め合っていくデュエットはそう観ることが(聴くことが)できるものではありません。
雪組としても「ラ」以来のラテンショーでしたが、組子一人一人が濃さ、熱さ(暑さ)共にさらに進化、成長していたと思います。
上演時季もマッチしていて、暑い季節に熱い(熱い)作品を観るのは気分が上がるなと。
全国ツアーにも向いているショーだと思いますので、今後楽しみにしています。
【参考】
雪組「Gato Bonito!!~ガート・ボニート、美しい猫のような男~」公演レポート その1
雪組「Gato Bonito!!~ガート・ボニート、美しい猫のような男~」公演レポート その2
3位も2作品となりました。
(順不同)
第3位
雪組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「SUPER VOYAGER!」ー希望の海へー 6票
演出の構成力、トップコンビだけでなく彩風咲奈、彩凪翔、朝美絢、朝月希和をはじめとする新生雪組の組子達の活躍が評価されたと思います。
HOPE、OCEAN、WIND、BIG DIPPERが起承転結で構成され、場面の流れも飽きることがありませんでした。
盛り沢山、てんこ盛りのショーでしたが場面のブツ切れ感はなくブッフェをバランス良くいただいてお腹一杯になったイメージです。
望海風斗&真彩希帆のトップコンビは歌が一番の魅力ですが、トップコンビに歌、ダンス、あるいは何かしら共通の突出した個性、魅力、実力があるとショー作品は強いインパクトを残します。
結果、時間が経っても評価されやすくなるのだと思います。
このショーのデュエットでは特に「希望の歌」「悲愴」が上手かった、というより凄かったです。
良い歌、良い歌唱は何度聴いても飽きないどころか常に刺激や発見、同時に癒しも与えてくれることを2人の歌で気付かされました。
お芝居と共にトップコンビがお披露目公演から実力全開で歌い上げてくれた贅沢なショーです。
【参考】
雪組公演「SUPER VOYAGER! ー希望の海へー 」公演レポート その1
雪組公演「SUPER VOYAGER! ー希望の海へー 」公演レポート その2
雪組公演「SUPER VOYAGER! ー希望の海へー 」公演レポート その3
第3位
花組舞浜アンフィシアター公演
「Delight Holiday」 6票
宝塚歌劇が初めて舞浜に舞い降りた公演、花組のノンストップステージが興奮冷めやらぬまま多くの支持を集めました。
下級生にいたるまで出演者全員が歌えて、踊れたレベルの高さが評価ポイントだったと思います。
そのハイレベルなカンパニーの頂点に明日海りお、仙名彩世、鳳月杏のトライアングルを配したことも鮮やかに機能しました。
特に鳳月杏のこの公演におけるポジションは待望のものであり、安心・安定感、説得力がありました。
量、質共にこのくらい出番があって躍動する彼女を観ることができたのは多くのファンにとって最高に幸せな時間だったのではないでしょうか。
演出面では選曲(セットリスト)が素晴らしかったです。
明日海りおの歴史を振り返る楽曲、平成を振り返る楽曲の数々・・・通常のショー作品ではあまり歌えない、踊れないメドレーが実現できたのも初めての試み&形式のステージを稲葉先生が上手く演出したからだと思います。
また、MCコーナーでは仙名彩世が愛と笑いに溢れるトークを炸裂させ、「女北翔海莉!?」状態に。
歌って、踊って、トークでも観客を楽しませる最高のエンターティナーっぷりを発揮しました。
組子を、客席を、作品世界の全てを温かく包み込んだ明日海りおのオーラ、貫禄のステージングも忘れてはいけません。
客席が求めるものを魅せ、それだけでなく期待を上回り、驚くようなパフォーマンスで優しく心を掴む。
自分を客観視できている彼女だからこそ、そんなホスピタリティ溢れる舞台をカンパニーを巻き込んで作れるのだと思います。
歌もたっぷり聴くことができて心が浄化される想いでした。
ブルーレイが発売されるそうです。
著作権カットがないことを願いながら、発売を心待ちにしたいです。
第2位
花組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「BEAUTIFUL GARDEN」ー百花繚乱ー 7票
上級生だけでなく下級生まで的確に配役し、様々な場面を彩り豊かに演出した野口先生の演出力と、明日海りおと仙名彩世を筆頭とする花組のバランスのとれた実力が存分に発揮されたショーとして評価されました。
サブタイトルの「百花繚乱」に相応しい花組組子の充実ぶりで、野口先生の演出意図が完璧にハマりました。
野口先生の勢いと、花組の強さが際立っていた印象です。
それにしても明日海りおの花組は毎年のようにショー作品のスマッシュヒットを生み出していて凄いなと思います。
運もあるでしょうけれど、基本は実力に拠るものだと考えます。
明日海りおの歌唱力、ショースター性を活かしながらも似たようなショーはないんですよね。
毎回テーマ、トーンは違う。
けれど花組らしさは常にある。
花組で「BEAUTIFUL GARDEN」というタイトルは王道とも言えますしそのままな気もしますが、舞台は新鮮でありきたりな印象は一切ありませんでした。
スペクタキュラーと呼ぶに相応しいショーだと思います。
野口先生に関して一点、今後に向けての懸念点を挙げるとすれば全体の構成が若干パターン化してきている点です。
次作が仮に月組や宙組のショーだった場合に、なんとなく流れが想像できてしまう感じがあります。
宝塚への愛、組やトップスターへの愛は伝わってきますが、まだショーのスタイルが「偉大なるマンネリズム」に陥るには早いと思います。
次作、次の新たな一手に期待したいです。
【参考】
花組公演「BEAUTIFUL GARDEN ー百花繚乱ー」公演レポート 〜演出編〜
花組公演「BEAUTIFUL GARDEN ー百花繚乱ー」公演レポート〜明日海りおと仙名彩世編〜
花組公演「BEAUTIFUL GARDEN ー百花繚乱ー」公演レポート 〜スター編〜
ショー部門の1位は・・・
第1位
月組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演
「BADDY ー悪党は月からやって来るー 」 28票
大気圏の外から突入してきてぶっちぎりの1位に駈け上がった、そんな印象です。
月組はヅカデミー賞の作品賞(芝居、ショー部門)で初めて1位を獲りました。
おめでとうございます!
BADDYに投票された方の多くが「断トツ」「ぶっちぎり」というコメントを残しています。
他と比較してというより、比べようのない衝撃作に出会ったように受け取りました。
確かに比較するとか優劣つけられるような種類、レベルの作品ではないでしょう。
評価されたポイントは主に下記です(要旨)。
・伝統的なショーのスタイル、要素がありながら斬新な造形に仕上げた点
・ストーリー性、というよりストーリーのあるショーをきちんと確立した点
・怒りのロケット
・特に珠城りょうと愛希れいか、美弥るりかの配役のフィット感
・中毒性、病み付きになるクセの強さ
・上田久美子先生のチャレンジングな姿勢と天才的な演出力
私も全てに共感します。
いまだにこの作品について色々考えたくなりますし、理屈抜きに鑑賞して心を「ぐるぐるぐちゃぐちゃ」にされたいという欲望が抑えられません。
感慨深い、切ないストーリーに様々な想いを馳せていたら、突然そんな気持ちを「冗談じゃねえ!」と一気に打ち壊す皮肉とユーモアを足して2で割らない熱狂が訪れ、そのまま頂点に昇りつめて幕が下りて行く・・・
終演後、ポカーンとしますよ、当然。
ただ、斬新で奇抜な印象を受けがちなショーですが、いくつかのコメントにもあるように上田先生の演出、構成はきちんとしていました。
邪道を行ったのでも、奇をてらった訳でもありません。
月組の組子達が本来の実力+アルファの魅力を見出し、発揮できた演出手腕も高く評価されます。
2018年を代表するショーであることは間違いないと思います。
【参考】
月組宝塚大劇場公演「BADDY ー悪党は月からやって来るー」公演レポート【総論・演出編】
月組宝塚大劇場公演「BADDY ー悪党は月からやって来るー」公演レポート【スター編】