血液検査 追加項目 | 獣医とノルウェージャンフォレストキャット マリアの腎臓闘病生活

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今年で4歳を迎えた我が家の愛猫マリアについてのブログです。若くして腎臓病になった我が子にしてあげられる事を書き記していきます。獣医師として同じ境遇に置かれた猫ちゃん、又は飼い主様の心の支えになれればと思います。

以前の記事(こちら)でお話しした血液検査の追加項目について
当院では血液検査の際に項目として、

CBC(全血球計算)
Alb ALT ALKP Tcho Glu BUN Cre

を測定します。

この時のマリアの異常値が
BUN:
48.2mg/dl      Cre:2.7↑mg/dl
でした。

明らかに腎臓の数値がおかしかったため、
①エイズ白血病検査(2F検査)、②総蛋白(TP)と③電解質(Na K Cl Ca P)   
を追加で調べました。

①エイズ白血病検査については念のためです。免疫力の低下するこれらの病気ではFIPなどの発症が起こりやすくなる場合があるからです。
結果はエイズも白血病も陰性でした。

②TPとは主にAlb(アルブミン)とGlb(グロブリン)を足したものです。
TP=Alb+Glb 細かくはフィブリノゲンも含まれる
感染症などの炎症時にはGlbのみが上昇するため、TPが高いのにALBがそこまで高くないという組み合わせになります。この場合は感染症などを疑っていくのです。
※TP Alb両方が高い時は脱水を疑います。
※院内でGlbのみを測定することができないのでこのように引き算という方法をとります。

ここでいう感染症といえばやはり。。。あやしいのはFIPですよね。

この日のマリアは
TP:7.5mg.dl      Alb:3.6mg/dl     引き算してGlb=3.9mg/dl
特に問題ではありませんでした。

③電解質については腎臓からの吸収・排泄バランスを崩すことで乱れることが多いためにチェックしました。

結果は 
Na:159↑mmol/l   K:4.9↑mmol/l    Cl:121↑mmol/l   
Ca:13.9↑mmol/l    P:5.0mmol/l

ほぼほぼ高値でした。
原因はいろいろ考えられました。
ただやみくもに鑑別リストを増やしても混乱するだけなのでまずは明らかに存在する脱水の補正をしてからの再検査としたのです。
ここから点滴の日々が始まりました。
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