2022年春
思いがけず沼落ちの
「二十五、二十一」
ですが…
(第一話の感想はこちら)
様々な感情や思考が
うごめいてしまい、
本ブログの「通常営業」である
ネタバレなしの感想が
なかなか書けない~
というわけで、前回は…
臨床心理士的視点から、
主人公カップルの関係性の転換点となる
ロケーションの持つ意味を
(ムボーにも)
考察してみましたが
今回も
まだまだ語っちゃいますよ~
この情熱を
仕事に傾けるべきじゃないかっ
と自分自身に
ツッコミ
を入れつつっ
今回は、
臨床心理士的視点から、
「あの結末」について、
かなりマジメに
考察してみたいと思います
この後、本記事の性質上、
壮大なネタバレがあります
臨床心理士や心理学の理論によって、
解釈が異なることもあります
なぜ、2人は別れてしまったのか?
このドラマ
最大のミステリー
と言っても
過言ではないですよね…
つまり、何度も、
ヒドの娘の父親はイジンでないっ
と示唆されているのにも関わらず…
エピソード14の
この決定的シーンさえも、
リアタイ当時は…
いやいや、
そうは言うても
実は、
イジンが
父親に違いないっ
大どんでん返し説
も、盛んに繰り広げられておりまして
いやぁ、もちろん、
ハッピーエンド
を願うのが、
韓ドラファンの常
ではありますが~~
私は、割と冷静に
(自分の経験も踏まえて)
初恋って、
実らないものだし、
これで上手くいっちゃったら、
リアリティないよなー
…と思っていました。
(と豪語しつつ、
最終回見終わった夜は、
なかなか眠れなかったけれど)
…あれ、すみません
前置きから熱く
語ってしまいましたが
いよいよ本題です
なぜ、
イジンとヒドは、
別れてしまったのか
臨床心理士視点から、
ざっくりと言っちゃうと、
発達課題をクリアしたかどうかの
違いかなぁ
と感じました。
発達課題というのは、
人は人生を通して常に成長する
という立場から、
その年代特有の乗り越えるべき
課題とか葛藤
なわけですが…
21~25歳あたりは、
「親密な関係」を築く時期
と定義されており、
人と助け合いながら
生きること
を学ぶべきなのですが、
うまくいかないと、
「孤立」
してしまうんですね
恐らく、エピソード2の
出会った頃の2人は…
ヒド父を亡くした経験
イジン経済的な後ろ盾を失う経験
により、
自分で何とかしないといけない
という意味で、
同レベルの孤立状態
だったからこそ、
「親密」のかけらを
手に入れた2人の
噴水エピソード
が胸を打つのでしょうね
その後、ヒドは...
フェンシング選手
としてのキャリアを積み、
着実に自尊心を高めつつ…
憧れの対象であり、
ライバルであるユリムとも、
親友関係を築き…
父親の死をめぐる
母との葛藤の過去も、
真正面から取り組み、
わだかまり
が解けましたよね
その一方で、
イジンは、と言いますと…
大学生のはずが
父の破産&離散で、
一家の大黒柱
として働くことになり…
大学や軍隊ではぐくむはずだった
自尊心はそっちのけの
中途半端状態で…
遂には、
9.11の過酷な現場に
急に放り込まれてしまう
などなど、
自分の意志ではなく、
いつもいつも、
周囲の状況に
振り回されてる
んですよねー
そんなことの繰り返しで、
無力感でいっぱいになり、
大人
=人に迷惑かけないように
ひとりで葛藤を抱えて
生きること
と誤学習過剰学習
しちゃったのでしょうか…
エピソード16で、
2人の別れをめぐる言い争いも…
「自分さえ、
ガマンすれば
うまくいく」という
長男気質
もあったでしょうし…
深層心理では、これは、
ずっと親に言いたかったこと
だったんでしょうね…
そんなイジンに対して、
ひとつひとつの課題を
クリアする中で、
大人=親密な相手と
助け合い分かち合うこと
と学んだヒドは…
はっきりと
自分の成長を示しますが、
その意味さえ、
未だわからないイジンは…
(これを恋人に言っても、
残念ながら解決しないんだよ、
イジン…)
最初は、
大人に見えたイジンですが、
9.11という
時代の波の中で、
いつのまにか、
ヒドが追い越してしまったこと、
つまり、
2人の生きる速度の決定的な違い
が浮き彫りとなってしまい、
別れに至ったのでしょうね
…いやぁ、
臨床心理士視点から、
もっとぶっちゃけてしまいますと…
イジンの父親も、
いい人だとは思うけど、
何だか頼りないし
母親にいたっては…
破産して、
一家離散というのに、
超的外れな発言とか
この非常事態でも、
夫に対する愛を優先するのか
とか。
つまり、子どもそっちのけで、
軽く毒親
なんですよね
どんなにしっかりしているイジンでも、
まだ20歳そこそこの若さゆえに、
周囲に頼ることが必要なのに、
それがかなわず…
年齢や能力以上の
キャパオーバー
をし続けた結果、
人と親密な関係を築く
パワーが残ってなかった
というのもあると思いますね。
では、なぜ「あの2人」は別れなかったのか?
さて、ここで、
別の疑問
が湧いてきませんか…
つまり、
主人公カップルとは対照的に、
ユリムとジウンは、
なぜ結婚まで至ったのか
と言うのも、
両者ともそれなりに
困難を抱えつつ、
高校生活を送ったり、
まさかの国籍変更で
遠距離恋愛とか。
…と、これまた、
イジン&ヒドカップルと同等か、
またはそれ以上の
試練
がありましたね
ただ、イジンと比較すると、
この2人は、
曲がりなりにも、
年齢相応の経験が出来たので...
(こういう
「秘密のアジト」とか、
「遊び」って
高校生の成長に
めちゃくちゃ重要です)
つまり、
高校生活を全う出来たことで、
発達課題をクリアできた
というのもあるでしょうし…
「自分の人生を生きろ」
という
親の精神的サポート
もあったわけで。
(ただ、共働きのユリム一家が、
なぜずっと貧しいのか
最後までナゾでしたけれどね…)
ジウンも…
エピソード16で、
シングルマザーに育てられたことが
明かされますが…
恐らく、
精神的にも、経済的にも、
自立しており、
ジウンの個性を尊重する母親
なんだろうなぁ
と出演シーンもないけれど、
想像してしまいました
そういう点では、
依存的なイジンの母親とは、
対照的なんですよねー…
こうやって振り返ってみると、
このドラマ、
父性=経済を担う象徴
というステレオタイプから言えば、
父性の不存在
がクローズアップされてまして。
それを補う
父性的な母親の存在が、
その子どもたちの命運さえも分けた、
というのもまた、
隠れテーマ
なのかもしれませんね
以上、臨床心理士の視点から、
2組のカップルの
結末の違いについて
考察してみましたが、
いかがでしたでしょうか
もう語り尽くした~
感があるので、
いつものネタバレなしの感想は、
当分の間、書けない気がします
がっ
未視聴の方にも
是非見て頂きたいドラマ
という気持ちはあるので、
また、そのうちに…
(と言っても、恐らく、
ナム・ジュヒョク~と
愛を叫びまくるだけの
感想になっちゃうかも~)