アウトサイダーの本棚

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アウトサイダーの本棚-神風
2004年、文春文庫

元特攻隊員をめぐるノンフィクション。

石丸元章氏の作品はだいたい読んでいるのだが、特にこの作品が好きだ。いつもの無法者的な姿勢で、元特攻隊員たちにインタビューをする石丸氏。結果的に特攻隊をめぐるノンフィクションとしては異色かつ出色の作品になっていると思う。

一般的な感覚からすれば、元特攻隊員のインタビューに、キャバ嬢同伴で真っ赤なカマロZ28で向かうなどというのは、「無礼」とされるだろう。しかし文章からは、何の嫌味も感じられない。相手に対する敬意を忘れないことを前提とした、自然体ということなのだろう。思いっきりアウェイにいるのに、自然体。こういうことは、できそうでできない。

なお石丸氏はあとがきで「本書はGONZOジャーナリズム失敗作」と述べている。現場に飛び込んで積極的に介入していくことで生まれる当事者性がGONZOジャーナリズムの肝である。しかし特攻隊は、シンクロできないくらい異次元の出来事であったということである。

だが読み手からすれば、それは些細なことであると思う。紋切り型でない元隊員たちの声が引き出せていることこそ、本書の価値である。