対戦相手を褒めるしかないのだが…(武蔵野FC対FC大阪)
行ってきました、武蔵野陸上競技場。
第19回JFL第2節
東京武蔵野シティFC 対 FC大阪
武蔵野陸上競技場
13:00キックオフ
いつもなら、体育館内の階段を使って上に登るのですが、なぜか立ち入り禁止になっていました。
表に出てみて、なんとなくその理由がわかりました。おそらく、バスケットボールのリーグ戦を開催しているからなのでしょう。
この旗は、武蔵野FC公式ツイッターで見たことがあるのですが、よくおぼえていません。
なぜか、受付付近ではなく、道路付近に、いつもの看板が置いてありました。
余裕を持って家を出たつもりが、Sエリアに座ってみると、すでにピッチはこんな感じ。キックオフ30分前到着だと受付で行列ができていたので、次々節本田サッカー部戦はもっと早く来ようと思います。
ちなみに、芝生席の上の方の木々はみな桜なのですが、全然咲いてません。というか、けっこう寒かったです。
武蔵野市ツートップ(と、たった今、私が思い付いて言ってるだけ。塩野理事長と邑上市長)の挨拶がありました。
FC大阪のサポータの方々も、熱のこもった応援をしていました。
いつのまにか、もう選手が入場してきました。この席は、本当に近い。
それにしても、上の写真を見て、改めて感じるのは、
この本の最終章に書いてあったように、ある意味、牧歌的というか、親近感というか、海外のビッグクラブのゲームのように殺気立ったわけでもなく、Jクラブ特に人気チームの仰々しさというか、そういうものとは真逆の、なんかほのぼのとした感じが、なんとも言えず、良いですね、武蔵野FCらしくて。
この日に後援会に入ろうとした家族の方に、じつは今日、エスコートする子供が二人足りなくて…と声をかけるチームスタッフ。普通ならスタッフが子供たちに指示して場所を指示するところを、なんと理事長自ら子供たちの手を取って指定場所に座らせ、なぜか市長自らユニフォームを着込んで選手に交じって恐る恐る記念撮影の選手の列に入る……。
ハーフタイム、武蔵野FCマスコットの発表がありました。
武蔵野FC公式ツイッターで、ミスターXがどうのこうの、チームスタッフが街をさまよってどうのこうのとアナウンサーが言っていましたが、よくわかりません。写真の茶髪の男性が、このマスコットを描いたみたいです。
こんな紙をもらいました。武蔵野FCマスコットキャラクターの名前を募集しているそうです。なぜか一枚一枚、スタンドで観客に手渡ししていました。
(私の右斜め後ろで観戦していたクラブ関係者にも手渡ししていた。渡された方が凍死していた。この人、誰なんだろう?)
どうやら、このマスコットキャラクターは、多くの人々に惜しまれながらお亡くなりになった、象のはなこさんの生まれ変わりらしいです。
だったら、はなこさんでいいのではないかと思うのですが、それではいけないのでしょうか。
応募用紙の体裁からして、子供を対象にしているのは明白なのですが、武蔵野FC選手・スタッフを見回してみて、私より年上なのは吉田監督だけ、という老人の私が応募してはいけないのでしょうか。
ゲームは、0-3で、武蔵野FCの負け。
こういうシーンもあったのですが(写真は前半)、ゲームの内容としては、一進一退、どちらにも警告が出たし、逆にFC大阪の選手が上の写真のように倒されて負傷退場、というシーンもありました。
細かいことについては書きません。このブログは本来、読書ブログなので、もしこのブログを読んでわずかでも興味を持たれた方は、スタジアムに足を運んで、武蔵野FCのゲームをご覧ください。
私は、武蔵野FCのゲームを一人でも多くの方に見てもらいたいので、今後は、ゲーム内容の詳細については、なるべく書かないようにしようと考えています。
まあ、それでも、簡単には書きますね。
前半、目の覚めるようなペナルティエリア外からの豪快なシュートを決められ、後半もコーナーキックから失点。
そのコーナーキックも、前半と似たような、ペナルティエリアすぐ外からのシュートを辛くも武蔵野GK飯塚がパンチングで逃れたからの、なんです。
さらに、相手の鋭いシュートを武蔵野守護神飯塚が驚異的な反応で防いだものの、それを決められ万事休す。
武蔵野も負けず劣らず攻めてはいたのですが、やはり、なんというか、相手が一枚上だなと。
私が一番記憶に残っているプレーは、ヘディングでのプレー。
それも、FC大阪の。
前半、ハーフウェイライン近くで、跳ね返りの低い高さのボールを、なんとダイビングヘッドで前線の選手につなげようとするプレー。
後半、ペナルティエリアすぐ外で武蔵野FCの選手が足でトラップしようとするところを、なんとダイビングヘッドでクリアーするプレー。
(これらのプレーを見て、なぜか昔の駒沢でのゲームを思い出しました)
GK飯塚のスーパーファインプレーで失点を防いだ幾つかの場面を除いて、武蔵野側に、ここまで鬼気迫るプレーは、残念ながらありませんでした。
(少し、ならあるのですが)
他にも、相手が一枚上手だ、と思わせることはいくつかあるのですが、簡単に書きます。
ロングシュートも、相手はけっこう枠に飛んできたこと。
ゴール付近になって、攻撃のスピードが速くなること(武蔵野は残念ながら、あまりなかった)。
大量リードを奪っても、時間稼ぎに走るどころか、さらに攻撃してきたこと。
他にもいろいろあるのですが、やはり、ロングシュートも、タイミングが早いだけでなく、枠をとらえるというのが大きいですね。
観戦していて、一点目のスーパーゴールが決まってから、遠目から打ってくるシュートも、観ているだけの私が脅威に感じたくらいですから。
後半、前節よりも早い時間帯で武蔵野FC最終兵器金子剛が登場した時は、せめて一矢報いてくれと念じていましたが、ダメでした。
このブログ記事の題名通り、対戦相手、FC大阪を褒めるしかない内容でした。
正直言って、武蔵野FCだって頑張っていたし、頑張っていたから、悔しいと思うし。
ホームなんだから、せめて、引き分けくらいにしてもらえないかな、とも思いました。多分に虫のいい願いではありますが。
なんだか、まっすぐ家に帰る気がしなかったので、隠れ郷土史研究家でもある私は(サッカー本ブログであるのに武蔵野の歴史について何度も書いているので、今さら“隠れ”はないのだが)ムサリク前の武蔵野市役所北側の道をゆっくりと自転車を漕いで、それから武蔵野公園へ行きました。
さらに、三鷹駅方面へ延びる遊歩道を自転車でゆっくりと(歩く人とそれほど変わらない速度で)散策しました。
武蔵野の戦争の記憶を訪ねて
中島飛行機 武蔵製作所 工場引込み線跡
この写真には、こう題して、この遊歩道が、昔は線路だったことが書いてあります。
武蔵野・三鷹両市を歴史散策して、帰路につく途中、私は、今日、一番印象的な場面に出くわしました。
おそらく、私は、一生忘れないでしょう。それこそ、それまでは自宅から一番近い全国リーグで戦うチームだからというだけでなんとなく観戦していただけだった私が武蔵野FCを応援しようと決意した日(2013年9月7日)ほどに。
20メートルほど離れていたでしょうか、そのフットボーラーを目撃したのは。
うつむき加減で、キャリーバックを引きずりながら歩いているのですが、遠目からでも、思わずこちらがたじろぐほど、悔恨というか憤怒というか、凄まじいオーラを放ちながら歩いている。
東京近郊というか武蔵野市なので東京なのですが、その辺の住宅街の道を、こんな表情で歩いている人、私は初めて見たし、ふつう、そんな人、いないと思うのですが。
さらに近づいて、10数メートルまで来たとき、私は、我が目を疑いました。
1時間余り前に、ムサリクで奮闘していた武蔵野FCの選手ではないか!
車道を挟んで反対側の歩道を彼は私とは逆方向に歩いていたわけですが、声をかければ振り向ける距離。一瞬、がんばってくださいと言おうかなとも思いましたが、ふと見たその表情に、私は凍り付いて、立ち止まってしまいました。
これほど、先ほどの敗戦を、悔しがっているとは。
人間って、こんな表情をする生き物なのか。
それほど、凄絶な印象でした。
声を掛け辛い、なんてたやすく言えるレベルではない。
私は、暫し呆然とその場に立ち尽くして、しばらくしてから、ゆっくりと自転車を漕いで、家路につきました。
これほど、今日の敗戦を悔しがっているフットボーラーがいる。
やはり、武蔵野FCには、何かがある、何かが。
武蔵野FCは、死なない。
武蔵野FCは、終わらない。
こういうフットボーラーがいるクラブが、このままでいるわけがない。
なんて書いていましたが、家に帰って、彼の様子を思い出して考えたのですが、他人事じゃいけないんですね。
私自身、何ができるか。
それを、真剣に考えないと。
と言っても、読書ブログなのに武蔵野FC観戦記を書いたりしている、ホームゲームはマメに観戦する、くらいしか今できることは思い当たらないのですが……。
もう、遊歩道の梅の花もこんなに咲いています。
次のホームゲームの頃には、ムサリクの桜も咲いていることでしょう。
そして、我らが武蔵野FCも。
<文中敬称略>