前に進むしかない | もっとサッカー本を読もう!

前に進むしかない



2016年7月30日土曜日
第18回JFL2ndステージ第7節
東京武蔵野シティFC vs FC大阪
味の素フィールド西が丘
18時キックオフ


私事で恐縮ながら、休日が平日から土日に変わったので、昨日(7月30日土曜日)は、試合開始時刻に間に合うように早めに家を出ることができました。
じつは、スタジアムに着いて気が付いたのですが、今日のスターティングメンバーで、遠目からでもはっきり名前がわかる選手が、なんと4人しかいませんでした。これからは、もっと観戦に訪れて、選手たちの名前と顔とプレーを覚えないといけないと痛感。

160730西が丘南外

先々週は、もう暗くなっていたのだが、今日は明るいうちに駐輪場に到着。


160730リニューアル看板


160730新しい幟

(いつも備え付けてある幟も、横河武蔵野FCから東京武蔵野シティFCに変わっていました)


160730ボランティア募集

160730対早稲田

(いつの日か、武蔵野にも、電光掲示板を備えたスタジアムが建設されて、このような告知がなされるようになるのでしょう)

選手紹介以前に、いろんな告知を見ることもできた。天皇杯東京都代表をかけた戦いが、石神井川を挟んだダービー・マッチになるとは。
(おそらく、成蹊大の次に、横河グラウンドから近いと思う、早稲田大学の東伏見グラウンドは)


160730試合開始前1

試合開始前、ピッチ脇にボトルを置く、選手らしき人がいました。よく見ると、パンツに「25」の番号が。よくよく見ると、なんと、かつて西が丘を何度も沸かせた、奇跡的なプレーの数々で武蔵野の勝利に貢献し、天皇杯の快進撃に大きく寄与した選手が、なぜかアップもせずにボトルを置いて歩いていたのでした。

その姿を見た、ある熱狂的な武蔵野サポーターが、悲痛な声をあげました。

「うえだーっ! しあいにでないのかよー!」

その必死の訴えに対して、当のスター選手は

「だって、このかっこうで今から試合に出るって言ったらおかしいじゃん」

と平然と答えていました。

つまり、それほど、武蔵野FCは、選手間のポジション争いが激化しているということなのでしょうか。


160730試合開始前2


160730試合開始前3


前半は、武蔵野が押し気味の展開。
GK飯塚が抜かれて相手選手のシュートを許し、それをゴールに飛び込んだ武蔵野DFが跳ね返すシーンや、ペナルティエリア外からのダイレクトボレーシュートにGK飯塚が横っ飛びして防ぐという信じがたいシーンもあったものの、基本的には武蔵野のペース。相手のプレッシャーが緩いと見るや躊躇せずにドリブルで仕掛けたり、果敢に素早いパス交換を仕掛けては相手ゴール前に抜け出したり、ゴールが見えたらシュートを果敢に撃ったりと、見ていて今日は勝つなと内心思いながら観戦していました。


160730後半開始前


この時点でもまだ、いつ武蔵野のゴールが見られるかなと楽観視していました。

後半もまた、武蔵野が押し気味の展開。

実際に、武蔵野の選手が倒されてPKを獲得する場面もありました。

しかし







PK失敗。








それから、何分後だったでしょうか。なぜか、パス交換なのか、たまたまなのか、よくわかりませんが、あっという間に中央突破を許して、あっけなく失点。いったい何が起こったのか、私にはよくわかりませんでした。

結局、結果は、

160730信じがたい結果


0-1の敗戦。まず間違いなく勝てるであろうゲームを落とした、という印象です。



160730ファンとの交流


いつもなら、この時刻は、もうスタジアムを後にしているのですが、なんだか、気持ちの整理がつかなくて、メインスタンド側で子供たちの要望に応じてサインをしている武蔵野イレブンの姿をずっと眺めていました。


帰宅してからも、なんだか寝付けなかったので、武蔵野FCの公式サイトをずっと眺めていました。

最初は、選手の顔と名前と背番号がなかなかわからなかったので、新人選手を中心にずっとプロフィールとか眺めていました。

それも、もう見るものがなくなって、最近のクラブのニュースとかをずっと読んでいました。

そこで、私は、やはり、このクラブには何かがある、いや、このクラブは、私にとっても日本社会にとっても特別な存在であり、なくてはならない存在なのではないかと思い始めました。

私は、Jリーグが始まった頃から、ずっと、疑問に思っていることがありました。
総合スポーツクラブを目指すとかスポーツ文化を創造するとか、挙句の果てに百年構想とか、いろいろと美辞麗句を並べてはいるけれども、それではなぜ、多くのJクラブにはそもそも女性のチームが存在しないのか。サッカーとかフットボールとか言っても、いろんな形態のものもあるし、障害とか年齢とか性別とかいろんな理由から、いろんなカテゴリーのサッカーというかフットボールもあるのに、なぜサッカーというかフットボールについてそういう取り組みをしないうちから他のプロスポーツと客寄せパンダ的な提携をしたりとか浮薄な動きをするクラブが後を絶たないのか。なでしこリーグを見ても、Jクラブのチームはごく一部。フットサルチームを持っているJクラブもごく一部。ましてや、いろんなカテゴリーの部門を持っているクラブの、なんと少ないことか。それでいて、なぜサッカーというかフットボールとまったく関係のなさそうな競技に取り組めるのか。それが悪いわけではもちろんないのですが、そのクラブの歴史的経緯や諸事情もあるのかもしれませんが、ずっと、なんとなく疑問に感じていました。

しかし、武蔵野FCは違う。
最近の武蔵野FCのインフォメーション欄を見て驚いたのは、すでにそういう取り組みを始めていることです。私のような、どうしようもないだらしない中年男は、こんなブログでうだうだと他クラブのことを批判しているだけですが、武蔵野FCは、すでにさまざまな行動をしている、いろいろな取り組みに着手している。
(私はこの日、というか昨日、武蔵野FCの公式サイトを眺めていて、初めて「ソサイチ」フットボールなるものの存在を知りました)



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(なぜ、こんなことを長々と述べているかというと、いろんな理由があるのですが、その一つに、ブラインドサッカーを生観戦した時の衝撃が、未だに忘れられないからです。というか、一生忘れないでしょう。この本もそのとき試合会場で買いました)


私は、先制された後に、前座試合に出場していた小学生たちが、声を枯らして武蔵野イレブンに声援を送っているのを見て、また、試合終了後に、本当に真面目にゲームを見ていたのかと思えるような幼児も含めて、いろんな子供たちが武蔵野イレブンにサインをせがみ、応援している様子を見て、今日の結果に呆然としている場合じゃない、クラブもサポーターも(私のような、ずーっと黙ったままプレーを観ている人間が、サポーターに含まれるかどうかはともかくとして。いちおう後援会員ではありますが)、そして私も、少しでも前に進むしかない、いちいちくよくよしている場合じゃない、武蔵野FC公式サイトのインフォメーションのページを熟読しながら、そう思いました。



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(武蔵野FCは、100年後も、残るだろう、いや、残さなきゃ)




<文中敬称略>