芥川賞作家 田中慎弥さんの情熱大陸を見た。
「他人を喜ばせたくないから死なない、絶対死んでやるかと思う。」
そう語る田中さんはとてもステキだと思う。
すんごくピュアで世に流されず、それでも立派な賞をとっているんだから。
ぼくは今ある意味迎合して生きているところがある。
それは世間に対してというよりは、自分に対しての戒めのようなもの。
そんなぼくが、この田中さんの言葉に少し心を奪われた。
「こう生きよう!」ではなくて、「死なない!」なんだ。
ぼくが好きな小説家や詩人はこういう発想の人が多い。
辻仁成さんの詩にも「希望があれば死なない」という一節がある。
この「死なない」という意思表明は、何か目標や目的を見出すよりも、
さらにその奥にある神聖な中心部を指しているように感じる。
人は生きる上で強くなきゃいけない。
自分をどれだけ上手に鼓舞できるかで、その人生も変わってこよう。
今のぼくは、この「死んでやるか!」という鬼気迫るものが足りない。
だからたぶん田中さんの言葉に心をうたれたんだと思う。
たった一言の言葉が、何か大きな変化をもたらすものだ。