ひとり釣りして食って寝る in広島 -17ページ目

ひとり釣りして食って寝る in広島

ひとりで孤独に釣って自分でさばいて地酒片手に食って寝る。でも時には誰かと並んで釣糸を垂れていたい雑魚釣り専門サラリーマン。




これは、昨年11月に書いた記事で、何となく掲載するのをやめていたものです。


























先日の深夜、久々に強烈な金縛りに遭った。





自宅1Fのソファでうたた寝をしていたわけだが、




ふと目が覚めると、窓のカーテンの隙間からギロッと見下ろす女の顔が…!



え?嫁さんじゃないよね?





その瞬間、ガッチーンと全身が硬直。




何故か両腕を胸の前でクロスした、ウルトラマンのスペシウム光線発射スタイルで。




これこれ、こんな感じ👇








そして、ジワリジワリと布団圧縮袋で真空パックされるような圧迫感と息苦しさに襲われる。




必死に声を出そうにも、ろれつが回らない。




ヤバイ、これはタチの悪い奴や。




怖いので目をつぶったままお経を念じ続け、

クロスになった腕をどうにか動かそうと抵抗しているうちに、

徐々に腕の硬直が緩んできた。









右腕………、良し。




左腕………、良し。




そして全身汗びっしょりになってようやく解放されたのである。




時計を見るとジャスト午前2時。




どのくらい金縛りに遭っていたのかは分からないが、とても長く感じた。




ふぅ、一体何だったのだろうか…。





そして、あのカーテンの隙間から覗いていた女性は、何者なのか…。









実は心当たりがあった。




この日の日中、ワタクシは太田川まで釣りに出かけていた。





というのも、太田川に〝淡水化したマハゼ〟が居る、というなんの根拠もない説に答えを出したかったからだ。







太田川とは、

県境の安芸冠山を源流とし、数多くの支流を取り込みながら流下して、

広島市街地から6つの河川に分派しながら瀬戸内海に注ぐ、

県を代表する一級河川である。



画像借用





大昔から上流で行われてきたのが「たたら製鉄」であり、

その際に発生した大量の砂を押し流してきたことが、

河口部に三角州が形成された一因だとされている。






そしてその三角州の扇頂部にあたる場所、








そこに有るのが、洪水を防ぐ為に建設された2機の水門である。








祇園水門は大雨の時だけ放水路へ向けて解放されるので、普段は9割方閉じている。

つまり、太田川の真水はその殆どが隣の大芝水門から流下していることになる。




したがって、マハゼが満ち潮に乗って遡上するとすれば、この大芝水門を通過することになるわけであるが、その幅は狭い。

画像:Wikipedia





水門を抜けたは良いが、狭い出口に辿り着けず帰れなくなった個体が居着き、

徐々に淡水に慣れて繁殖を繰り返している、と考えられなくもない。




実際、さらに上流にある高瀬堰の直下でシーバスが釣れたという話も聞く。







というわけで、マハゼは水門を超えて居るのか居ないのか、とりあえず現地へとやってきたのである。










まずは水門の少し上流側へ入る。




クロダイが悠々と泳いでいるのが見えたので、この辺りはまだ海水が入り込んでいるのだろう。






さっそく、こんなワンドのようなところで青虫を付けて投げてみる。









しかし、流木か何かが沈んでいるのか、根がかりが酷い。


そして魚のアタリも全く無し。







マハゼは居ないのか…。

場所移動の為、さらに上流へ向かって歩いている、その時だった。








この橋の真下の河岸に、人が座っているのがわかった。









しかも、何か楽器を奏でている。







距離を取りながら見てみると、若い感じの女性で、弾いているのはマンドリンであった。






だだっ広い河川敷で、草も生い茂っていて人目にも付かない場所。





死体遺棄現場にありがちな場所ベスト10に間違いなくランクインするような、こんな人気のない、うら寂しい場所でマンドリンの練習とは…。







何もこんな場所で…と、何となく違和感を覚えつつ、そのまま素通りして橋の向こう側へ。








引き続きこんな所で探ってみるものの、生命反応ゼロ。















♬チロリロリロリロリン…チロリロリロリロリン…






釣りをしていると、橋の真下であの女性が奏でるマンドリンの音色がかすかに聞こえてくる。




どことなく哀しげなメロディだが、秋の川辺で釣りをしながら聴くのも悪くないな。














ん?




マンドリンの音色が聞こえなくなったぞ?



帰っちゃうのかな?







気になって、女性が座っていた方向をチラッと見てみた。









その瞬間、緊張が走った。














居ない。


居ないのだ。




マンドリンの音色が止んで間もないのに、どこをどう見回しても、あの女性の姿が見当たらない。





河川敷から道路へ上がる階段は限られている。



足が早いとしても、せめてその付近で後ろ姿位は見える筈だ。

それなのに…。









もはや、「消えた」という表現しか思い付かなかった。




何かの間違い?

いや、女性は確かに居た。




川岸に座って、マンドリンを弾いていた。









と、思う。









結局、マハゼは釣れず、突然姿を消したマンドリンを弾く女性についても、腑に落ちないまま帰路についたのであった。












そう、冒頭の金縛りに遭ったのは、その日の深夜のこと。




あのカーテン越しに覗いていた女性は、

もしかしたら川辺でマンドリンを弾いていた女性と、何か関係があったのではなかろうか…。







そう思えてならないのである。