故郷の、もう誰も住んでいない、52歳で死んだS君の家の近くにいる。その家の裏はすぐ海で、僕はその家の横の狭い通路にいるのだが、二階からはS君の妹と、その友達の声が聞こえる。僕は石垣の下に降りて海面が迫る石の上を歩いて、道路に出ようとその石垣に手をかけてよじ登る。道路に出るとあるはずのない海水の流れ込む狭い川が僕の帰り道を阻んでいる。どうせ浅瀬だろうと歩いて川を渡っていると足が届かなくなり泳ぎ始める。家にたどり着くまでもなくそこで目覚める。昨日はほんのうたた寝のつもりで、マッサージチェアに体を鎮めた。目が覚めると既に朝の4時になっていた。