日本の保守派の誰もが無視する帝国政府声明だが、ここには英訳原文まで載せられている。ということは2013年8月の時点で帝国政府原文は、もうすでに日の目を見ていたということになる。この英訳はもちろん、機械翻訳なんかではなく英訳原本そのものだ。しかし、原本は2012年に京都の医者によって見つけられていたそうなのだ。その時、この英訳も同時に発見されていたはずだ。世界で初めて帝国政府声明を自分で英訳し、発信したという人がいるのだが、この人の英訳、原本英語の文章のアメリカをUSAと入れ替えただけで、そのキーワードは本文そのままで、それはオリジナルとはとても思えない。
それはともかく、この声明文を読んで初めて感じたことは、この動画の4分45秒頃の、(又、帝国と志向を同じうする独伊両国と盟約して世界平和の基調を画し、新秩序に邁進するの決意は益々牢固たるものあり)とあるのだけど、ドイツなんかとても世界平和を志向していたとは考えられないし、人種差別民族の最たるものだろうし、イタリアもドイツも植民地志向を持っていたし、世界平和志向などではあり得ない。アジア解放と解釈できる箇所だけ抜き出せば、聖戦と解釈できるのだろうが、この文脈ではその志向は半減もしくは相殺され意味のない声明となる。白人植民地主義国家とはいつかは決着をつけねばならなかったのだが、日本は時を見誤ったのだ。少し遅れてアメリカに宣戦布告したドイツもほぼ同時期に敗北していることがこれを証明している。
ドイツと組んだ日本への憎悪はアメリカ亡命を果たしたユダヤ人科学者たちの原爆開発に凝縮された。
アジア解放という軍部の目論見と幻想はここに潰えたのである。