エイジレスの183回 目指せ!肌細胞の若返り!ナチュラル系手作り化粧品のすすめ(6/6)

 

 

活性酸素

 

 お肌の大敵と言えば、活性酸素です。

 

 呼吸により体内で発生する活性酸素のほか、紫外線を浴びることでも、発生します。

 

 活性酸素は、大気中に含まれる酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの総称です。

 

 一般的にスーパーオキシドアニオンラジカル(通称スーパーオキシド)、ヒドロキシルラジカル、過酸化水素、一重項酸素の4種類をさします。

 

 活性酸素の中でも、ヒドロキシルラジカルはきわめて反応性が高いラジカルであり、活性酸素による多くの生体損傷はヒドロキシルラジカルによるものとされています。

 

 活性酸素は、1 日に1細胞あたり約10 億個発生し、これに対して生体の活性酸素消去能力(抗酸化機能)が働くものの、活性酸素は細胞内のDNAを損傷し,平常の生活でもDNA 損傷の数は細胞あたり一日数万から数10 万個になるものの、このDNA 損傷はすぐに修復されます。

 

 が、時には、修復されずにガン化することもあります。

 

 

 活性酸素を無害化する助けをしている抗酸化物質には、有名なポリフェノール類やビタミンEなどたくさんの物質がありますが、4種類の活性酸素すべてに対応した物質はありません。

 

 なので、やはり、組み合わせが重要です。

 

 上図のように、得意分野の異なる抗酸化物質を組み合わせて、化粧品作りを考えてみてください。

 

 市販の化粧品でも、この組み合わせが偏った商品も少なくありませんので、お買い求めの際も、気にされると宜しいかと思います。

 

 

コラーゲン、ヒアルロン酸

 

 お肌プルプルと言えば、コラーゲンやヒアルロン酸を思い浮かべる方も多いのでは、ないでしょうか。

 

 肌細胞の壁や細胞の間にいて、表皮の7割を構成しているのが、コラーゲンです。たんぱく質の一種で、体内のたんぱく質の約3割を占めています。

 

 ヒアルロン酸は、ムコ多糖体と言って、ムチンなどネバネバ系の物質です。

 

 どちらも、分子量が大きいので、皮膚から出てくることはありません。同時に、外からも入ってきません。

 

 食べても、小さく分解されて吸収されるので、そのままの形で吸収させることはありません。

 

 が、実は、コラーゲンもヒアルロン酸も体内で生合成しているので、その際の原料にはなります。

 

 で、どちらも、動物の細胞並びにその周辺にたくさんあるので、普通に、肉や魚などを食べていれば、不足することはありません。

 

 しかし、ほとんどの代謝がそうであるように、加齢とともに、体内での生産量が低下してきます。

 

 

 つまり、体内で生合成する力が低下しているのに、コラーゲンやヒアルロン酸を一生懸命食べても、効果がないという事になります。

 

 但し、生産量の低下が、亜鉛不足やビタミンC不足にあるとすると、補充することで、コラーゲン生成が活性化されます。

 

 ということで、根本的な対策は、やっぱり代謝の活性化です。

 

 

 

代謝の活性化

 

 肌細胞の若返りの決め手は、やっぱり代謝の活性化です。

 

 で、代謝を活性化させるのは、まず、代謝のエネルギーを増産する必要があります。

 

 代謝のためのエネルギーを生産しているのが、細胞内に数千~数十万個あると言われる「ミトコンドリア」です。

 

 

1)ミトコンドリア

 

 細胞内の小器官で、元々は、人を含む生物にはありませんでした。

 

 ところがある日、生物の進化の過程で、単独で暮らしていたミトコンドリアが、生物の細胞内に入り込んで生活するようになりました。

 

 結果的には、このことで、生物が一気に進化して、やがて、ヒトになったわけですが、おかげで、ヒトは、ミトコンドリアと生死を共にする運命共同体になりました。

 

 皆さんが呼吸して吸収している酸素のほとんどをミトコンドリアが使っていますし、食べた食物の内、糖類の多くをミトコンドリアが食べています。

 

 その結果として、ミトコンドリアは、ATPという細胞にとって唯一のエネルギーを生産して、ヒトの命を保っています。

 

 つまり、ミトコンドリアが元気だと、ヒトも元気で、ミトコンドリアが元気でなくなると、ヒトも元気でなくなります。

 

 代謝には多くのエネルギーを必要としますので、代謝を活性化するには、まずは、ミトコンドリアが活性化する必要があります。

 

 で、もっとも簡単なミトコンドリアの活性化法が、空腹です。

 

 生命の多くが、命の危険を感じたときに活性化しますが、ミトコンドリアもそうでして、エネルギー源である糖が供給されないと、動きを活性化させるとともに、ミトコンドリア自体の数を増やします。

 

 しかし、余りにも長く、糖が供給されないと、折角増えたミトコンドリアがエネルギー不足で、死んでしまいます。

 

 なので、ちょうどいい頃合いの空腹と軽い運動が、活性化の鍵です。

 

 具体的には、12時間~16時間程度、何も食べないで、これを1週間ぐらい続けると良いようです。

 

 夕食を19時に食べたとすると、朝食は、7時以降に、夕食が遅かった場合は、朝食抜きみたいな感じです。

 

 但し、ノンカロリーの水、お茶、コーヒーなどは、途中で飲んでも構いません。

 

 ダイエットにも効果がありますので、興味のある方は、挑戦してみてください。

 

 出来れば、夕食後の軽い運動(ウォーキングなど)を組み合わせるとベストです。

 

 

 

2)オートファジー

 

 オートファジーとは、自食作用のことで、細胞内にある死んだ組織、壊れてたんぱく質などのゴミをお掃除するシステムです。

 

 細胞内がゴミだらけになると、細胞自体の活動が低下するので、代謝にとっても、極めて重要な仕組みです。

 

 オートファジーは、お掃除だけでなくて、集めたゴミで、もう一度たんぱく質を再生して、再利用します。

 

 このため、人は1日にたんぱく質を60g~80gしか摂取していないので、毎日200gのたんぱく質を生産しています。

 

 如何に、オートファジーが生命にとって不可欠化がわかると思いますが、代謝にとっても、重要な仕組みなので、ミトコンドリアとともに活性化させる必要があります。

 

 で、オートファジーも活性化の鍵も、空腹と軽い運動です。

 

 代謝を上げるのは、免疫システムにとってもいいことなので、病気にもなりにくくなります。

 

 騙されたと思って、やってみては、如何でしょうか?

 

以上、1回~6回にわたって、肌細胞の若返りについてお話してまいりましたが、どの話も、その一部分だけ利用しても効果が期待できます。

 

 皆様が若がりますことを祈念しております。

 

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