栄計舎 角支文化型柱時計 引戸式振り子室扉 昭和20年代末頃【W321】
非常に希少な栄計舎の引き戸式の振り子室扉を持った文化型柱時計、昭和20年代末頃に製造された物です。
株式会社栄計舎（EIKEISHA）は、大正14年に創業され昭和30年代頃まで存在した、主に柱（掛）時計を製造していたメーカーです。
時刻を合わせると時打（時報）の数も連動して自動的に合う「本打式」の機械をいち早く導入した他、夜光の文字盤やオルゴール付の掛時計、カットガラスを埋め込んだ振子等、様々な製品や機能を生み出した非常に創造的なメーカーであったようです。
こちらの柱時計は文化型と呼ばれるタイプの一種です。
正方形の文字盤（角型干支＝角支）の中央上部には星印の中にAKの文字が入った同社のトレードマークがあり、その周囲を木彫りの装飾と真鍮のプレートで囲ってあります。
長短針の形状も独特で、特に短針は楽器のハープを想像させる個性的なデザインになっています。
特筆すべき点としては、振り子室の前扉が「引き戸」になっている事です。
左右に擦りガラスの窓があり、振り子の調節時などは中央部分のカットガラスの入った扉を向かって右側に引いて開きます。
通常の蝶番で開く一枚板の扉に比べて製作の手間がかかるからか、このような造りの扉は他では全く見る事が無く、この柱時計の唯一無二の大きな特徴となっています。
時打は毎正時（0分）に時刻の数、「ボーンボーン」というやや高めの良く通る音で鳴ります。
各部に経年による細かな傷等はありますが、目立つような大きな傷や欠け・割れ等は無く、全体の程度としては比較的良い状態を保っていると思います。
分解整備済み、振子・巻き鍵も付属します。
精度は季節（気温）やゼンマイの巻き始めと解ける寸前でも変わりますが、きちんと調整すれば平均して±0から2分以内／日で稼働しますので、充分日常的に使用する事が出来ます。
サイズ／高さ：約43.5cm 幅：約22cm 奥行：約9.7cm （いずれも最大部）
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