中学3年生のとき、家庭科の授業で「編み物」を習いました。

 

当時の家庭科の先生は、それはそれは厳しいマダムで、私たちは家庭科の授業は、特別に緊張していました。

 

ところで、私たちの中学では、ほぼすべての先生にあだ名があり、親しみを込めてあだ名で先生をお呼びしておりました。(ヤーサンとか、大将とか、サンダー、などなど)

 

それで、この厳しい家庭科の先生は、芹沢先生というので、私たちは、率直な思いを込めて「芹バア」と(さすがに陰で)お呼びしていたのです。

 

それにしてもまあ、あの頃の、芹バアの憎々しさと言ったら!!

 

とにかく私たちのような鼻たれ女子のことなんか、ことごとく軽蔑のまなざしであざけり、正統派の婦女子の行う家事とは、こういうものです、といった雰囲気。

 

鋭い眼光と言葉遣いで私たちを一喝し、裁縫の道具の扱い方や、技術について、ものすごく細かいところまで手抜きや横着を許さない、授業というか、厳格な「しつけ」が行われていたわけなんです。

 

ところがですね、私、あきらかに「芹バア」のおかげだと思っているのですが、どんなタイプのミシンでも迷わずに糸通しができたり、使いこなせちゃったり・・・

 

一度習っただけの、編み物が大好きになり、今でも続く趣味となったり・・・

 

あとになってから、芹バアの、いえいえ芹沢先生の偉大さに気づいたのでした。

 

今でも編み物は一番好きな趣味なんです。

 

これは少し前に編んだもの。

 

 

アップにすると、模様がわかると思います。

これは、アラン模様と言われている、私の大好きな伝統的な模様です。

 

 

針を4、5本使って、グルグルと輪にして下から上に向かって編むんですよ。

 

芹バアは、何を編んでもよい、とおっしゃったので、私は手始めに手袋を編みました。

 

これで編み物の面白さにハマり、受験生なのに、授業中に机の下でコッソリ編むほどやみつきに・・・

 

 

で、で、で、最近一番驚いたのは!

 

100歳になる祖母が、私の記念すべき第一作目の手袋を今でも使ってくれていたこと!!

 

先日、誕生日に訪ねたときに、部屋になにやら怪しい手袋が・・・。

 

ん?黒い手編みの手袋に、赤いつぎはぎがしてあるのです。

 

え!?と思ったら、大昔に私が編んだ、チャコールグレイの手袋!!の、穴が開いてしまったところを赤い毛糸で繕って、今でもご愛用してくれているのでした。

 

祖母の、物を捨てずに大事に使うところに感心するやら、あきれるやら・・・だって、ざっと30年・・・まさかまさかの再会でした。

 

確かこの手袋に祖母がたいそう喜んでくれたので、次にオフホワイトのバラのモチーフがついたのも編んで贈りました。こちらは今回は見当たらなかったけれど、うまくできて嬉しかったことを今でも覚えています。

 

贈って、喜んでくれる人がいることも嬉しいし、なによりも編み物は編んでいるときが、至福の時間なんです・・・

 

この幸福感は、もっとたくさんの人にも味わってもらいたいと思っています。

 

よく、「すごい!」とか言っていただきますが、編み物って、決して難しくないですよ!良くできたレシピ(本)さえあれば、あとはなんとかなります。

 

そういうわけで編み物については、また、作品(というほどのものではないですがあせる)や、本や、思うこと等をこれからも少しづつ書いていきたいと思いま~す音譜