昨日、手の甲に生まれつきの赤い痣(あざ)がある子を見て思い出しました。

 

私が幼稚園の頃とか小学生の頃って同級生にはチラホラと生まれつきの赤い痣とか黒い痣がある子がいたんですよね。

 

私が意識したのはたぶん小学校2年生の頃。

 

同級生の仲良くなったクラスの女の子が、鼻のところに生まれつきの黒い痣があったんですね。

 

同じく仲良くなったクラスの男子は、膝のところに生まれつきの赤い痣がありました。

 

その生まれつき痣がある二人を見て、幼稚園の頃に仲良かった女の子もどこか忘れたけど生まれつきの黒い痣があった子がいて、もう一人、肘に生まれつきの赤い痣がいた男の子がいたことを思い出したんですよ。

 

それで、「もしかして女の子は黒い痣で、男の子は赤い痣ができるのかな」なんて話した時に、同級生の女の子が言うには「妊娠中にお葬式に行くと生まれてきた赤ちゃんには黒い痣ができて、妊娠中に火事を見ると、生まれてくる赤ちゃんには赤い痣ができる」と言われたので、母に知ってるか確認すると、母もその迷信を聞いたことがあるという事でした。

 

実際、妊娠中に火事の現場を見てしまったという母の友人がいて、そのことを悔いていたそうです。

 

母の友人が生んだ赤ちゃんの足にはやはり赤いアザがあったので、たまたま偶然かもしれないけど母も迷信だとは思うけど信じてるとも言ってました。

 

ここで、幼稚園の頃に仲が良かった女の子の、どこに生まれつきの黒い痣があったのか思い出そうとしたのですが、名前や容姿は思い出せるものの、この時は全く思い出せませんでした。

 

それから数年後、小学校高学年の頃だったと思います。

 

卒園した幼稚園でお祭りみたいなイベントがあって、親に連れられて遊びに行ったんですよね。

 

幼稚園の頃に仲が良かった子は来てるかなとキョロキョロと見渡したのですが、知ってる顔は誰一人見つかりません。

 

しかし、ふと気になる女の子がいました。

 

その子は女の子二人で来ていたのですが、髪の色も明るくてダブル(当時の言い方だとハーフ)っぽい雰囲気だったから気になるのかなと思ったのですが、連れの女の子がその子のことを「〇〇ちゃん」と呼んだんですよ。

 

そう、幼稚園の頃に仲が良かった女の子の名前と同じ。

 

幼稚園の同じクラスでも仲がいい女の子は何人もいたんですが、小学校では離れ離れになることもあって、一番好きだった〇〇ちゃんだけは、苗字も名前もちゃんと覚えたんです。

 

幼稚園の頃はもちろん、この小学校高学年になっても、仲が良かった女の子の名前がダブルっぽいなんて一度も思ったことが無かったのですが、目の前にいるダブルっぽい子にはピッタリのダブルらしい名前だったんですね。

 

しかも、首の後ろ側に生まれつきの黒い痣が見えたんですよ。

 

変わった苗字にダブルっぽい名前で、ダブルのようなスラっとした女の子で、首の後ろ側に生まれつきの黒い痣がある。

 

なんかパズルのピースがキレイにハマったような衝撃とともに、それを全否定する自分がいたんです。

 

この時、私が勇気を出してその〇〇ちゃんと呼ばれた子に名前とか自分を知っているかとか確認すれば、その場で無事解決していたんだと思うのですが、そうすることがとても恐怖だったんです。

 

何がコワイって、私が記憶している〇〇ちゃんとは似ても似つかなかったから。

 

私が記憶している〇〇ちゃんは、ダブルっぽさはなくて、普通に日本人らしい顔の女の子だったんですよ。

 

紙の色も顔つきもスタイルも全然幼稚園の頃に好きだった〇〇ちゃんと、目の前にいる〇〇ちゃんは似ても似つかなかったんですね。

 

帰り道に車内で母に確認しました。

 

〇〇ちゃんって覚えているかと確認すると、名前は憶えているけど、どんな顔だったかは覚えていないとのことで、ダブルっぽかったかどうかと確認すると、それも覚えていないとのこと。

 

何か確認する方法はないかと考えて、幼稚園の卒園アルバムと卒園式当日の集合写真があったことを思い出しました。

 

卒園アルバムは全然見た記憶がなかったのですが、何度か卒園式当日の集合写真は見ていて、そこに〇〇ちゃんも写っていたも覚えていたんですよね。

 

卒園式の写真はパッ見ただけだと裏面にも名前とか書かれていなかったので、卒園アルバムを見てみました。

 

その時、紙面の上部に楕円形に切り抜かれた一人一人の顔、下部に名前が書いていあるというデザインだったのは今でも覚えています。

 

自分の顔写真と名前でそういう構成なのを確認したうえで、〇〇ちゃんの名前を発見したので、ドキドキしながら写真を確認すると、そこにはダブルっぽい子の顔写真がありました。

 

〇〇ちゃんは苗字もかなり変わっていたので、間違えようがないんですよね。

 

ここで、もしかして仲が良かった〇〇ちゃんと同じ名前で、間違って変わった苗字の〇〇ちゃんを覚えて混ざっているのかもと思って全員の名前をチェックしましたが、〇〇ちゃんという名前の子はダブルっぽい子しかいません。

 

今度は覚えている〇〇ちゃんの顔写真を探しましたが、覚えている〇〇ちゃんの顔写真はどこにも見つけられませんでした。

 

今でも覚えているような〇〇ちゃんとの思い出がいくつかあるんですよ。

 

けど、その記憶にある〇〇ちゃんの顔は卒園アルバムにはなく、フルネームで覚えていたハズの〇〇ちゃんの写真は全くの別人。

 

幼稚園の時には遊んでいる時とか何度もその記憶にある子のことを〇〇ちゃんと呼んでいたのに、その記憶にある子が卒園アルバムにいない。

 

しかし、卒園式当日の集合写真には〇〇ちゃんがいた記憶があると思って、卒園アルバムに挟んでいた集合写真を見直したんですね。

 

すると、やはり集合写真にいたハズの記憶にある〇〇ちゃんがいなかったんですよね。

 

しかし、ダブルっぽい〇〇ちゃんはいたんです。

 

ダブルっぽい〇〇ちゃんが私が記憶しているフルネームでも、それはそれでもいいんです。

 

それならそれで、私が〇〇ちゃんと記憶している女の子が、卒園アルバムにもいないし、〇〇ちゃんが写っていたと記憶していた卒園式当日の集合写真にもいないのが不思議でした。

 

たまにこういう感じの自分だけが覚えていて、周囲も覚えているハズなのに、事件の後にみんなが覚えていないフリをするとか世にも奇妙な物語みたいな設定とかのドラマがありますよね。

 

そんなドラマとかを見たり、生まれつきの痣とかを見ると、ふとこうやって〇〇ちゃんのことを思い出してしまいます。

 

ホント思い出すと不思議だし、ちょっとコワイし、物悲しさもある思い出です。